きつねのはなし
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06/27
- メディア: 文庫
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感想
森見さんの本、4冊目。今までの平和でのんびりした話とは打って変わって、ちょっとダーク系の話。そのギャップに驚いたが、たまにはこういうのも悪くないかな。結構幅の広い著者なんだね。
「きつねのはなし」「果実の中の龍」「魔」「水神」の4章仕立て。独立した章ってわけじゃなく、舞台設定やキーワードが被っている。と言っても、同じ時間軸・世界の話ではないみたい。事の発端は「水神」の章にあるみたいだけど、他の章でも舞台となっている館は、この章の中で立て壊されてしまうし。館の主人も入れ替わっているし。何か変な気分。この本のタイトル通り、まるで狐に化かされているような。訳が分からず、もやもやと消化不良。
まあでも、それこそが著者の狙いなんだろうね。ばっちりと嵌った。すっきりせず後味は悪いけど良作。今までにない感じの本で、新鮮だった。でも僕としては、前作までの雰囲気の方が好きだけどね。また他の著作も読んでいきたい。