ふがいない僕は空を見た
- 作者: 窪美澄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/07
- メディア: 単行本
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うーん、何て表現したらいいのか分からない。つまらなかったわけではない。引き込まれて一気に読んじゃったしね。もともと立ち読みで一度読んだ本だったんだけど、もう一度読みたくなって図書館で借りたんだから、何かしら心に引っ掛かる作品だったんだろう。でも、それをどう表現していいのか分からない。だからこそ惹かれたのかも。
物語全体に、重苦しいというか、不条理というか、やり切れない雰囲気が満ちている。結構な底辺、特異な環境を描いているようにも感じたけど、実情ってのはこんなもんなのかもね。大なり小なり。
そして物語の最後にも、何らかの決着が付くわけでもない。それこそが日常、普遍的な生ってことかな。何ら劇的なことは起きない、外部的な力が働いて解決するわけでもない、それを受け入れ、日々を生きていく。そんな感じかな。最終話ではそれを肯定的に描いており、読後感が良く感じる人もいるみたいだけど、僕には何だか気だるいものが残ったなあ。
まあ、たまにはこんな気分に浸るのも悪くないし、読んで良かった本だとは思うけどね。