本家ゴーマニズム宣言 2
- 作者: 小林よしのり,梶原麻衣子(『WiLL』編集部),構成・作画:よしりん企画,ブックデザイン:鈴木誠一デザイン室,野口博(フラワーズ)
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2011/11/22
- メディア: 単行本
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世間体を気にする「自意識過剰」「自尊心過多」の者が多いから、簡単に引っ掛かるのだ。強い「個」を持つ者は、他人や世間に対してそんな「言い訳」をしながら『ゴー宣』を読んだり、わしに接近したりする必要などないはずだ。
「第三の開国」と呼ぶTPP参加を行なえば、いずれすべての「関税」と、さらに「非関税障壁」までが「例外なく」撤廃されることになる。つまり自ら関税自主権を放棄し、主権を手放すのであり、国家より市場を優先する「世界市民」のイデオロギーに与することになるのだ!「第三の開国」が「第三の屈辱」になるのは目に見えている!
感想
久しぶりの小林よしのり本。賛否両論ある人ではあるけれど、一つの欠点だけで全てを否定するのはフェアではないと思う。人は完全・完璧ではないんだから、良い点もあれば悪い点もある。曇ったメガネで見るのではなく、公平・客観的な視点から物事を判断していきたい。
面白かったのは、そういうふうに「言い訳」する人間に対して、このマンガの中で揶揄していること。そりゃあ、言ってることは分かるんだけどさ。でもこの情報過多の時代、一人の意見をじっくり聞いて判断するってことが、少なくなっているように感じるんだよな。誰もが効率を求め、より少ない情報で性急に結論を出してしまう。一度レッテルを貼られると、それを覆すのは難しい。もう判断済みってことで、再考証・再定義なんてしてもらえないんだから。
そんなわけで、「小林よしのりの本を読んでいる」って言うことは、イコール「小林よしのりの意見を全て受け入れている」ってことになってしまいがち。「色々な本が溢れる中で、その本を選択したわけだから、その思想を受け入れているんだろ?」となる。本人はそう思っていなくたって、周りがそう判断する。それを恐れる人が出てきてしまうのは、仕方ないよな。本人の責任とはいえない。もちろん、それをはね返す強い意志を持っていればいいんだろうけど、それを万人に求められてもな。まあ、僕自身は気にしないんだけどね。
小林さんはTPP参加反対なんだな。これについての本も発売したみたいだし。外圧による「第三の屈辱だ」とのこと。報道をみるかぎりでは、アメリカは積極的に日本を引き込もうとしているようには感じないんだけど。まあ、これについてはあんまり調べていないんで、色々な背景があるのかもしれない。ちょっと見てみるかな。
女系天皇問題について。新聞報道によると、女性宮家創設の検討だけでなく、旧皇族の皇籍復帰も検討する意向らしいな。ここにきて大きく動いてきたなあ。どうなるのか、興味深く追っていこう。いずれにしろ、当事者である天皇家の望むような決着が着くといいよな。僕にとって、天皇家の問題にここまでの関心を持つようになったのは、間違いなく小林さんの影響。今後も、様々な問題への目を開かせてもらえるといいなあ。
この本の中で、八木秀次の「Y染色体」論に噛み付いている。まあ、これは僕の目から見ても全く説得力を持たない主張だな。小林さんも、そこへの攻撃はもう要らないんじゃない?そんなのは放っておいて、他の攻撃に対処すればいいのに。もしかしたら出来ないだけかもしれないけど。