40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

国防論−ゴーマニズム宣言SPECIAL

ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論

ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論

1000年に一度の巨大地震ならば、このたびの自衛隊の活躍は、1000年先まで語り伝えられる偉業となるだろう。日本人の「公」の精神の集積が自衛隊であり、日本人の誇りの象徴として、彼らはこれからも戦わねばならない!彼らは「使命」を持つ者たちだ!!


朝鮮戦争の掃海派遣は高く評価され、講和条約締結に大きく貢献したという。それに何よりも彼らが命がけで航路を開かなければ、戦後の復興は始まらなかったのだ。しかし、その功績はほとんど無視され、忘れられてきた。
朝鮮戦争の1名を含む79人が殉職したが、彼らに「戦死」の名誉は与えられない。靖国神社にも祀られない。香川県・琴平の金刀比羅宮に掃海殉職者顕彰碑があり、毎年追悼式が行なわれているが、それを知る人も多くはない。


感想
自衛隊を中心とした国防について。前に雑誌「SAPIO」を読んだことがあったが、その時に連載されていたものが単行本になったんだな。といっても、既に発売から半年が過ぎているわけだけど。あの時は東日本大震災が起こる前だった。あの震災を機に自衛隊の活動や存在意義が大きくクローズアップされたわけだし、小林さんとしても、すごくタイムリーなテーマになっただろうな。


先週の10日に内閣府が発表した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」にも、その効果が反映されている。自衛隊に良い印象を持つ人が91.7%で、前回より10.8ポイントアップ。自衛隊の存在目的として「国の安全の確保(外国からの侵略防止)」を挙げる人が78.6%で8.6ポイントアップ、防衛力を増強した方がいいと思う人が24.8%で10.7ポイントアップ。


なかなか良い傾向だな。震災や、中国漁船問題もあってポイントが大幅アップしているが、個人的には、もともと自衛隊の存在意義については高い評価がされていたってのが、ちょっと意外だった。3年前の前回調査でも、80.9%の人が、自衛隊に好印象を持っていたんだからな。マスコミの論調だけ見ていたら、もっと批判的なのかと思っていた。


防衛力を増やした方がいいって思う人は、今回大幅にアップしたとはいえ、まだまだ少数派なんだな。今回の震災では、原発の事故回避への取り組みが全く不十分だったことが露呈した。「起こるわけがない」と思い込むことで、対策をなおざりにした。国防についてだって、同じことが当てはまるだろう。「攻められるわけがない」と、防衛費を縮小しておいて、いざそういう事態になっては目も当てられない。震災による原発問題は甚大な被害をもたらしたが、国防問題は、それ以上の被害をもたらしかねない。「絶対なんてない」ってことは今回よく分かっただろうから、必要な備えはしっかりとしてもらいたい。国民にも、「喉元過ぎて」みたいなことにならず、常に関心を持ち続けていってほしい。


少年工科学校についてとか、海上自衛隊の掃海部隊についてとか、今まであまり知らなかったことが知れて面白かった。この国のことを考え、私を捨てて公のために行動してくれている人がいるってのはありがたいよな。彼らに全てを押し付けるのではなく、国民一人一人が関心を持ち、もっと知っていくべき問題だな、と思った。もちろん自分自身も。


この本では、原発問題についても扱われている。それについては、今別の本を読んでいる最中なんで、そっちと合わせて考えていこうと思う。