社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2012/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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宮殿の見せ方がすばらしかったのは、トルコのイスタンブールにあるドルマバフチェ宮殿です。その展示方法は極めて自然で、最盛期のオスマントルコ帝国の宮殿生活がよみがえってくるようです。ちきりんは歴史的な宮殿の展示・公開方法としては、このドルマバフチェ宮殿が世界一だと思います。
ちきりんが今回、一番感動した場所は、ベネチアの「プンタ・デラ・ドガーナ美術館」です。ここは17世紀に税関として建てられた建物を改築して、2009年にオープンした現代アートの美術館です。他の美術館が過去の遺産を展示しているのにたいして、ここには私達がいま生きている現代という時代が後世に伝えようとしているものがある、と思えたからです。ここは、「芸術は作り続けられている。歴史も作り続けられている」ことを体感できる場所なのです。
私が好きな旅行スタイルのひとつは、現地で専任ガイドを雇うことです。これだとガイドさんと仲良くなれ、観光地の説明だけではなく、その国の制度や一般の人の生活についても様々に訪ねることができ、社会派の私にはぴったりです。ただ、中味のある話をするためには、それなりの英語力が必要です。
感想
ちきりんさんの本、三冊目。二冊目はまだ読めてないんだけど。この本は、ちきりんさんの海外旅行記。ブログの記事のように、ちきりんさんならではって感じはあまりなかったかな。でもまあ、僕も旅行好きだからね。こうして各地の良さを紹介されると、行ってみたくなる。ちきりんさんに薦められたらなおさら。ウルムチとかサファリとか面白そうだなあ。トルコやカンボジアは前々からチェックしていたところなので、お薦めされていたのは嬉しい。
あと、ローマの「ボルゲーゼ美術館」が紹介されていたのも嬉しかった。あの美術館はすごかったからなあ。僕もイタリア旅行で行った美術館では、ここが一番印象に残っている。どの美術品も本当に質が高かったからな。予約をして行った甲斐があったよ。
でも残念ながら、ベネチアでお薦めの「プンタ・デラ・ドガーナ美術館」にはいかなかった。現代美術はチェックしなかったなあ。時を経て価値が確立したものにしか興味を示さないってのは、まだまだ初心者だなあってのは思うんだけど。芸術を評価する目を養えたら面白いだろうなとは常々思っているけど、あんまりそっち方面の能力には自信ないからなあ。仕事でも装飾性は皆無。無駄を削ぎ落とした「シンプルイズベスト」ってのが、僕自身の生き方になっちゃってるからな。
今年は国内旅行に留めておいたけど、来年は海外に行こうと思っている。日本の将来を考えるに、今後時間が経つほどに海外には行きづらくなっていくだろうし。円の価値とか、増税とか。体力や仕事の責任なんかも。家族なんて持ったら尚更。だから行けるうちに、行きたいところに行っておかなくちゃ。
個人的にガイドを雇うってのはいいね。それを楽しむ英語力はないけれど、より海外を楽しむためにも、何とかしたいところだな。