僕は君たちに武器を配りたい
- 作者: 瀧本哲史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/22
- メディア: 単行本
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1.商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
2.自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
3.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
4.まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
5.自分が起業家となり、みんなをマネージしてリーダーとして行動する人(リーダー)
6.投資家として市場に参加している人(インベスター)
リーダーを目指す人は、だいたい過去にコンプレックスを持っていることが多い。もしも本書を読むあなたが、自分自身の過去に大きなコンプレックスを持っているとしたら、それはリーダーになる大切な素養を持っているということなのかもしれない。自分の人格が少し普通の人と違って破綻しているな、と感じていたり、自分には極端な自己愛があるな、と自覚しているならば、その「負の側面」を逆転させることでリーダーへの道が開かれる可能性がある。
才能がある人、優秀な人は、パイを大きくすること、すなわちビジネスに行くべきだ。パイ全体が縮小しているときに、分配する側に優秀な人が行っても意味がない。誰が分配しようが、ない袖は振れないからだ。社会起業家とか公務員という選択は、社会に富が十分にあって分配に問題がないときなら意味があるだろう。だが分配する原資がなくなりつつあるのが、今の時代ではないだろうか。
感想
いわゆる「ビジネス本」は、読者の不安を煽り、そして明快な解決策を提示する。「英語」と「IT」と「会計」の知識とか、各種資格とか。そうやって言われたことだけやるような人は、結局コモディティ化し、使い捨てられるだけ。まったくもってその通りだな。
僕自身、費用対効果はよく考えるほうだし、著者の指摘することは重々承知している。大切なのは、それを身に付けることで何が出来るのか、どんなメリットがあるのか、ってことだから。そう分かっていつつも、一方で、色々な知識を身に付けることも好きなんだよな。今後の人生でいつ役立てるんだ、っていうような知識も。でもまあ、そういうのも必要だと思うんだよね。無駄な知識なんて無い。著者が薦める「リベラルアーツ」ってやつも、生活に即役立つようなものではないんだし。
今後の仕事人生をどう乗り切っていくか。コモディティ化しないためにはどうすればいいのか、どこまで目指すのか。今年はそういうことを考えるのにちょうどいい、節目の年。いい機会だし、じっくり考えていかないといけないな。
面白かったのは、優れたリーダーはコンプレックスを持っている、ということ。まあ、人は誰でも大なり小なりコンプレックスを持っていると思うけどね。僕のコンプレックスがリーダー向きかは分からないけれど、コモディティ化を回避する方向には強く効く。これをもっと働かせるべきかねえ。制御する精神力は十分あるつもりだし。
これから社会に出る若者向けの本、とのことだったけど、今の僕にもなかなか面白い本だった。