「超」入門 失敗の本質
「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
- 作者: 鈴木博毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/04/06
- メディア: 単行本
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日本軍「目標達成につながる勝利」が少なかった
戦略とは、いかに「目標達成につながる勝利」を選ぶかを考えること。日本人は戦略と戦術を混同しやすいが、戦術で勝利しても、最終的な勝利には結び付かない。
イノベーションとは、支配的な指標を差し替えられる「新しい指標」で戦うことである。同じ指標を追いかけるだけではいつか敗北する。
戦闘の中で発生している指標を見抜く能力が高いほど、戦略を純化させる速度は速く、しかも意図的に戦略構築をすることが簡単になります。
当時、レーダーの中核技術である電力磁電管(マグネトロン)の研究においては、日本はアメリカよりもはるかに進んでいたと言われています。これら優位性を活かすことができなかった大きな要因は、「日本海軍という組織が既存の認識を変えることができなかった」からです。日本軍は、自分たちのわかっていない「現場の力」について蔑視する志向が強く、日本人科学者のレーダー開発の成果を、戦闘現場に活かす柔軟性がまったくありませんでした。
「優れた人材」を最適な場所に配置することは、戦場の勝敗に直結する最重要要素です。不適切な人事の放置は、組織全体の大敗北につながる危険性がある一方、正しい人事は組織を飛躍させる最強の武器にもなるのです。
感想
前に読んだ、「失敗の本質」を分かりやすく説明し、現代に活かすための本。ようやく届いたんで読んでみた。元本がいいんだから当然だろうけど、やっぱり面白い。でも、元本では注目しなかった点への言及や、新しい知識も盛り込まれており、改めて楽しむことが出来た。
「目標達成につながる勝利」を選ぶってのは、本当に大切なことだよな。延々と時間・体力・お金をかけておいて、それが目標達成に繋がらないならば、勝利したって何の意味もない。ただの自己満足。逆に、その勝利・満足は足を引っ張る。
僕は無駄なことは嫌い。効率化が好きで、ばっさりと切る。今はそこ止まりになっているけれど。そこを超え、追いかけるべき大切な指標を見極め、それに向けて着実に行動を起こせる人間になりたい。
戦争当時、日本人もレーダー技術の研究をしており、アメリカよりも進んでいた部分があったってのは初めて知った。それを活かすことはなかったわけだけど。本当にもったいないことだ。僕はいつでも柔軟でありたいと思っているけれど、効率化を図りすぎるあまり、気付かずに切っている部分もありそう。そうなり得る可能性を常に頭に留めておかないとな。何でもやりすぎは良くない。