スイッチ!
- 作者: チップ・ハース,ダン・ハース,千葉敏生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/08/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ブライト・スポットが必要なのはそのためだ。ブライト・スポットを探すということは、「いまうまくいっている部分は?それを広めるにはどうすればよいか?」と自問することにほかならない。
多くのリーダーが、おおまかな方向性を定めて満足している。確かに、魅力的なビジョンは重要だ。しかし、それだけでは十分とはいえない。全体的で放任的なリーダーシップは、変化の場面ではうまくいかない。変化のもっともむずかしい部分、つまり麻痺を引き起こす部分は、まさに詳細のなかにあるからだ。
変化を成功させるには、あいまいな目標を具体的な行動に置きかえることが必要だ。簡単に言えば、変化を起こすには、「大事な一歩の台本を書く」ことが必要なのだ。
毎日小さなことを改良していけば、やがて大きなことが起こる。大きな改良を早急に期待してはいけない。日々、小さな改良を求めるのだ。それが変化を起こす唯一の方法だ。変化が起きれば、それは持続する。
私たちのコントロールできないことはいくらでもある。しかし、コントロールできるものごとには知恵を振りしぼるべきだ。そして、私たちがコントロールできることのひとつは、最終的な勝利と、それにつながる小さな成功を定めることなのだ。
変化は一瞬の出来事ではなくプロセスだ。そして、プロセスを導くには忍耐が必要だ。
感想
「値段の10倍得する本」の第4弾。この本は、「アイデアのちから」の著者の二冊目の邦訳書。
自分自身や組織の、行動を変えるための方策について。自分自身については、まあ、自分さえ変わろうと思えば色々とやりようはある。でも組織となると、一担当者の立ち位置ではやれることにも限りがある。僕もこれまで類書はいくつも読んできたけど、「いつかその立場になったら活用しよう」ってものばかりで、ならば今読むこともないかと、縁遠くなってきていた部分があった。
この本でも、上の立場から変える手段についても扱っていたが、それだけでなく、地位もお金もないような下の立場から変える方法についても扱っていて、結構興味深かった。
ブライト・スポット(今上手くいっている部分)を探し、それを広める。実際に上手くいっているんだから、効果は保証済みであり、実行も可能。色々と使える部分はあるかもな。もちろん、それが当てはまらないケースもあるだろうけどさ。色んな方面からのアプローチ法を知っておくのはいいことだ。
安定した状況での目標・動き方と、変化の場面での目標・動き方の違いについての話も、なかなか面白かった。これからの時代、安定した状況なんて望めないよなあ。僕はそっちの方が得意なんだけど。まあ、変化も日常になれば、それに適応できるようになるだろう。