ギルガメシュ叙事詩
- 作者: 矢島文夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/02/10
- メディア: 文庫
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「杉の森」への遠征(第3,4,5書板)
「天の牡牛」退治とエンキドゥの死(第6,7,8書板)
不死を求める旅(第9,10書板)
「大洪水の物語」(第11書板)
エンキドゥが語る冥界の様子(第12書板)
ギルガメシュ叙事詩は古代オリエント最大の文学作品である。またこれは人間の知られている歴史のなかで最も初期の作品のひとつであり、生命の探求という永遠のテーマをもって貫かれているという点では、最初の本格的な文学作品である。
この叙事詩全体を貫くテーマは、不死の追求、そして人間は死なねばならぬという認識であり、それは人間の精神史において、神話時代からの脱却、理性の目覚めを告げる意味をもつものである。
感想
神話といえば、やっぱりここから始めるのがいいかなあ、と思って。ゲームでもおなじみのギルガメシュ。なんだけど、名前だけは知っていても中身については断片的な情報しかなかった。今回、ようやく一通りの知識が得られて満足した。
解説で、日本語訳にあたっての苦労が語られているけれど、粘土板の発掘や楔形文字の解読等、こういう研究に何十年と捧げた人たちのおかげで、こうして楽しめるわけだからな。毎度言っているけれど、本当にありがたいことだ。そういう積み重ねの成果を、少しでも多く味わっていきたい。