シュメル神話の世界−粘土板に刻まれた最古のロマン
シュメル神話の世界―粘土板に刻まれた最古のロマン (中公新書)
- 作者: 岡田明子,小林登志子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 新書
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「シュメル神話」は最古の神話のひとつで、その後に生まれた神話に多大な影響を与えたのであった。後代への影響が大きかった神話のひとつは「ギルガメシュ叙事詩」に結実したビルガメシュ神のいくつかのシュメル語版の物語であり、もうひとつが「旧約聖書」の「ノアの洪水」にまで伝わるシュメル語版「大洪水伝説」である。
ギルガメシュ叙事詩に採用されたシュメル語のビルガメシュ神の物語が三編ある。第4,5書板にいれられた「ビルガメシュ神とフワワ」、第6書板に採用された「ビルガメシュ神と天の牡牛」、そして新アッシリア帝国時代(前1000〜609年)になってその後半部分が第12書板としてつけ加えられた「ビルガメシュ神、エンキドゥと冥界」である。
一方でとりいれられなかったシュメル語版のビルガメシュの物語が二編ある。「ビルガメシュ神の死」と「ビルガメシュ神とアッガ」である。不死を求める主人公が死んでしまっては話にならないと考えたのかもしれない。
感想
「ギルガメシュ叙事詩」の背景をさらに知るために読んでみた。現存する世界最古の神話ってことでは、このシュメル神話が該当するみたいだな。ギルガメシュ叙事詩は、シュメル神話の中から、ギルガメシュを主人公とした物語を集めてまとめたもの。
そして、シュメル神話の物語は、ギルガメシュ叙事詩を経て、旧約聖書にも繋がる。こういう繋がりって面白いよね。なかなか興味深かった。