ニーチェの警鐘−日本を蝕む「B層」の害毒
ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 (講談社+α新書)
- 作者: 適菜収
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 新書
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ニーチェは、「神」はさまざまな形に姿を変えて、現代社会に君臨していると言います。かつては教会の中に収まっていた神が、別の形で世界を支配するようになった。私たちの時代は、「反宗教の時代」ではありません。「巧妙に隠蔽された宗教の時代」なのです。
ニーチェは、民主主義がキリスト教を換骨堕胎したものであり、人類の弱体化を目指す宗教であることを見抜いていました。キリスト教の「神」は、民主主義や平等主義といったイデオロギーに姿を変えて、世界を支配していたわけです。
B層政治家を封じ込めるには、どうしたらいいのか?B層を教育するのは無駄です。歴史上、有権者が成熟したためしはない。個別の対応としては、現在の「政治主導」「民主化」の大きな流れを食い止めるべきです。中選挙区制の復活、選挙権・被選挙権の制限範囲の見直し、司法の独立の徹底、三権分立や二院制などの民主主義に対するセーフティーネットの堅守などが挙げられますが、結局は未来と過去に責任をもつ人間、正気を保っている専門家・職人が政治的判断を下すしかないのだと思います。
感想
適菜さん本、通算五冊目。先月久しぶりに適菜本を読んだので、ついでにもう一冊。まあ、それほど新しい情報はなかったけど。ニーチェについての言説は前に固め読みしたし、B層についての批判も「ゲーテの警告」で十分理解した。
本の中で、同じニーチェ読みの解釈について批判している。「ニーチェ入門」についてとか。その他、色々なところに噛み付いているけれど、こういう生き方って大変そうだよなあ。人それぞれではあるけれど。まあ、こういうのを求める人もいるわけで、これも一つのポジショントークなんだろう。著者が指摘していた、「朝日新聞の思想」みたく。それがビジネスだから、ね。