未来改造のススメ−脱「お金」時代の幸福論
- 作者: 岡田斗司夫,小飼弾
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2010/07/26
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 92回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
小飼『タダのコンテンツがあふれていると、痛い思いをした上で、もっといい思いをしたいというインセンティブが働きにくい。』
小飼『普通の人は、普通の人が作るものでは満足できなくなっています。このハードルは皆さんが思っている以上に高くなっています。はっきり言って、ちょっと名の知れた大学を出ました、くらいじゃ意味がない。買ってもらえるモノやサービスは、儲かるから働くと思っている人には作れません。徹底的に何かを好きでたまらない人でないと無理。「これくらいでいいじゃないの」ではダメで、「誰かと刺し違えても俺はこれを作る!」という人でないと。考えてもみてください。スティーブ・ジョブズのような天才でないと、みんなが買ってくれるケータイを作れないわけですよ。』
感想
小飼さんと岡田さんの対談本。僕にとってはどちらも知っている人なんで、ちょっと嬉しい企画だった。ただ、内容としてそこまで深いものではなかったかな。まあ、対談ってのはそういうものかもしれないけど。部分部分面白いところはあった。
モノを買わないことについて。僕もあまり使わない方だからなあ。その理由として、「何が好きかに自信が無い」ってのはあるだろうね。そこにお金を注ぎ込むだけの価値があるかどうか、考えてしまう。そこまで入れ込めない、というか。これだけタダのものが溢れていると、有料のものに対して、費用対効果での目線が厳しくなるよね。お金を使うためのハードルが高くなっている。それがますます不景気を呼び込むんだから、困ったもんだね。
ただ、いつかのタイミングではカネを放出することになる。さっさとリタイアするつもりなら別だろうけど、いずれにせよ、溜め込んだまま死ぬつもりはないんだから。その時点でお金を使うことと、今のうちにお金を使うことの、どちらがより費用対効果が高いかってのも、合わせて考えていかないとな。
「普通の人が作るものでは売れない」ってのも、その通りだよな。そして、その程度はどんどん進行している。恐ろしい話だ。うちの会社は今のところ、それなりに安定しているけれど、今後どうなるかは本当にわからない。その時にも通用する、新しい、価値あるものを生み出せるのか。開発セクションの人間だからこそ、より強く感じる。まあ、そういった「危機感」で太刀打ち出来るようなものでもないんだろうけど。