そうか、もう君はいないのか
- 作者: 城山三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/01/24
- メディア: ハードカバー
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(著者の娘によるあとがき)
母の死後、数日経って、父は独言のように、「看取ることができて幸せだった」とぽつりと言った。しかし、以後の7年間、父はどんなに辛かったか、計り知れない。想像以上の心の傷。その大きさ、深さにこちらの方が戸惑った。連れ合いを亡くすということは、これほどのことだったのか。子や孫は慰めにはなっても代わりにはなれない。ポッカリ空いたその穴を埋めることは決してできなかった。
母が亡くなる半月ほど前に聞いた話。「私の人生の中で一番ショックだったのは、パパが三十代でガンの疑いがあるって聞いた時・・・」という言葉は本当に衝撃だった。母性の固まりのような人で、常に子供の事が一番と思われる人だったから。改めて、両親が堅く深い絆で結ばれていた、と知ることは照れ臭くもありがたいことである。
感想
「スゴ本」サイトでちらっと紹介されていた本。結婚をテーマにしたスゴ本オフで紹介された本。紹介文に何だか惹かれたので、読んでみた。
小説なんだとばかり思いながら読み進めていったら、著者の妻との半生を描いた話だということを最後のあとがきの部分でようやく知り、びっくり。
あまりに綺麗な物語なんで、実話だとは思いもよらなかった。夫婦愛・夫婦関係の理想のような形だね。こんな関係を築けるなら結婚も悪くないと思えるけれど、こんなのは宝くじに当たったようなもの。なんてのは言いすぎか。まあ何にしても、縁あっての話だからね。深くは考えないでおこう。
短い本でありながら、結構心を動かされる話だった。