夢を売る男
- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2013/02/15
- メディア: 単行本
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「人は精神的な満足と喜びさえ味わえれば、金なんかいくらでも出す」
「本を書くモチベーションとブログを書くモチベーションは同じだ。共通しているのは強烈な自己顕示欲だ。根底にあるのは、自分という存在を知ってもらいたい!という抑えがたい欲望だ」
感想
「永遠の0」を書いた百田さんの著書。本当は「海賊とよばれた男」を読みたかったんだけど、あれは図書館でものすごい予約者数だからな。確実に1年以上はかかりそう。というわけで、借りやすかった本書を読んでみた。
本書は自費出版ビジネスを舞台にした小説。顧客の心理を突き、自費出版を働きかけるやり取りがとても面白かった。詐欺まがいの商売のようでいて、これはこれで顧客のニーズを汲み取っている。小説という殻に包みながら、ここにはかなりの真実が含まれているんだろうなと思った。出版業界の現状しかり。
ブログを書く人間についての牛河原の台詞にも考えされられた。僕もこうしてブログを書いているわけだけど、これもやっぱり「自分を知ってもらいたい」という自己顕示欲があってのことなのかなあ。そうでなければ、非公開でやればいいわけだし。
もともと、「人は人、自分は自分」ってのが僕のスタンス。周りに影響を受けたくないし、逆に影響を与えたくもない。自分に自信が有るんだか無いんだか。そうして抑圧されていた欲求や矛盾が、「匿名」という保護の下、現実世界の反動として現れているのかもなあ。精神のバランスを保つ、なんて大げさなものじゃないけどさ。
とはいえ、こうして発言していることには、相応の責任は持っているつもり。匿名の殻が破れたとしても、2ちゃんねる個人情報流出事件のようなことにはならない。だからといって公開はやっぱりしないけど。
こうしてブログを書くことに自分なりのメリットは感じているので、今後もペースを保ちつつ続けていきたい。