漂白される社会
- 作者: 開沼博
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
いかに科学が発展し、合理的な計算が可能になろうとも、災害は発生し続け、病で人は死ぬことはある。本来、社会はコントロール不能なものであふれている。しかし、それにもかかわらず、私たちはそのコントロール不能な社会の「残余」に目を向け、それがコントロール可能な方向に転じるよう、身を投じることをやめようとしない。そして、そこに接近した時に得ることができるもの(それは快感なのか、安心感なのか、征服感なのか、充足感なのかはわからないが)を求め続けている。
感想
社会の隅に存在している、日本の暗部を紹介する本。前に本「暴力団」を読んだこともあるけれど、自分の知らない世界についての好奇心から読書。どれも自分で実際に触れたいとは思わないからな。
著者は、規制によってこういう暗部がさらにアンダーグラウンド化していると説明している。まあ、実際そうなんだろうけど。ただ、元々接点のない自分からすれば、ネットの普及により、興味を持ちさえすればより簡単に情報を仕入れられるようになったように思う。と言ってもわざわざ調べたりはしないわけで、こうしてお手軽にまとめた本があると、効率よく学べていいよな。もうちょっと突っ込んだ内容を知りたいとも思っちゃったけど。
こうやって他人事のように見ているけれど、二極化が進行している現在、いつ自分が主流からはじき出されるかなんて分からない。実際、僕が目指しているアリリタなんかも、漂白される側の存在かもしれないし。まあ、こうやって様々なものを包摂しつつ成り立っている社会ってのは、面白いもんだよな。異端を排除すべく、あんまり極端な方向には進まないで欲しいもんだ。