方法序説
- 作者: ルネ・デカルト,山田弘明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/08/09
- メディア: 文庫
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解説
『序説』の背景には、諸学問の統一という壮大な学問論があったことを忘れてはならないであろう。『序説』は単に方法についての話を記しているのではなく、方法論をも含めた普遍学(諸学問は同じ一つの方法の下に統一される)の構想を暗に示していると思われる。
『序説』は新しい学問の精神とプランを明確に打ちだし、万人を真理探究の道へといざなう哲学入門の書にほかならないと思われる。
デカルトが明確な形で出している諸問題の多くは、現代でも依然として哲学の根本主題でありつづけている。デカルトが提出した哲学は、ものごとをきちんととらえ、正確に考えるための導きの糸となり、現代においても一つの規範となろう。
感想
「座右の古典」で紹介されていた本。デカルトと言えば、「我思う。故に我あり。」の一文が有名。と言うか、この一文しか知らなかったわけだけど。
この本によって、あの一文に至るデカルトの生い立ち、思想の土台を見ることが出来、結構満足した。まあ、これくらいで満足しているあたり、相変わらず表面をさらっているだけなんだけどさ。本書もどれだけ深く理解できたことか。解説の助けを借りてなお。
こうやって、物事の本質を究めていこうと考える人たちがいるからこそ、世界の理解がより進んでいく。そして、その労力の結晶・果実をこうして容易に味わうことが出来る。新しいものを生み出すためには一から構築しなければならないのかもしれないけれど、手軽に得られる部分に関してそれを放っておくのはもったいないよな。
どれだけのものを吸収できたのかなんて考えず、とりあえずは色々なものに触れていきたい。