40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

新釈 走れメロス−他四篇

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

「芹名はいっさい承知の上だ。彼には俺というものが分かっている。これは信頼しないという形をとった信頼、友情に見えない友情だ」
「そんなのは詭弁だ、そんな友情があるものか」
「あるのだ。そういう友情もあるのだ。型にはめられた友情ばかりではないのだ。声高に美しき友情を賞賛して甘ったるく助け合い、相擁しているばかりが友情ではない。そんな恥ずかしい友情は願い下げだ!俺たちの友情はそんなものではない。俺たちの築き上げてきた繊細微妙な関係を、ありふれた型にはめられてたまるものか。」



感想
森見さんの本、7冊目。「山月記」、「藪の中」、「走れメロス」、「桜の森の満開の下」、「百物語」という古典の名作を、著者のフィールドである現代京都に置き換えた作品。
まあ、原作は教科書に載っていた「山月記」「走れメロス」しか知らないんだけどさ。いい機会だし、残りの原作も読んでいきたい。特に面白かったのは、「走れメロス」かな。面白いし、設定も上手いし。いやあ本当、さすがは森見さんだなあ。


この間、ニコニコ生放送舞台『詭弁・走れメロス』をやっていたので、それも見た。すごくタイミング良かったな!狙ったわけではなかったんだけど。いつも言うことだけど、こういう繋がりってのは嬉しい。
舞台もなかなか面白かった。ただ、少し舞台上が忙しく感じちゃったかな。長い話を90分くらいにまとめるためには仕方なかったんだろうけど。勢いがあって良かった、とも言える。今度、「有頂天家族」の舞台もやるらしいね。



舞台といえば、これまたニコニコ生放送で、舞台『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』 も見た。ゲーム・アニメ原作の実写化にはあまり期待していなかった僕だけど、これはかなり良かった!あのボリュームを3時間でまとめるために端折っている部分は多かったけど、その分、演技の間を有効に使っており、『詭弁・走れメロス』では感じた忙しさは感じなかった。役者さんも予想以上の出来。
多々ある場面転換を上手く表現していたのも良かった。限られた空間でそれを上手く演出するのって凄いよな。こういうのも舞台の醍醐味なんだろうね。実際に生で見たら、さらに迫力あったんだろうなあ。ちょっと惜しかったかも。この舞台がDVDになるっていうんで予約しちゃったよ。
まあ、これだけ入り込めたのも、原作に対する思い入れの差かもしれない。何度見ても感動しちゃうからね。これクラスの作品に、また出会いたいなあ。