政府は必ず嘘をつく−アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること
政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: 新書
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私たちが日本国内で得る情報の大半は、西側の大手メディアやアルジャジーラなどの報道がベースになっている。だが、コーポラティズムがメディア支配を強める21世紀、大手マスコミの報道を鵜呑みにすれば、大きなリスクが伴うだろう。だからこそ、ニュースは常に、現場の声や企業の息のかかっていない独立ジャーナリストの報告と比較することが重要になる。
経済グローバリゼーションの波が、世界のメディアを次々に統合させている。ひとつのニュースを見る時も、国内、海外という2種類だけでは見えなくなってしまう。受け手である私たちは、立ち位置の違うメディアの発信する内容を比べることで、真実に近づいてゆくしかない。
そして、どんな戦争もその背景には<資源>や<通貨>といった巨大な利権に対する、各プレイヤーの思惑が絡んでいるのだ。
嘘と真実を見分けるのは、年々難しくなっている
感想
「貧困大国アメリカ」の堤さんの著作。「貧困大国」の方はタイトル通りアメリカについて扱った本だけど、本作では日本に目を向けている。日本にだって同じ流れ・動きが来ている、と。当然そうだろうと思うんで驚きはない。だからといって衝撃がないわけではないけど。
TPPについて。堤さんの言う通り、これが日本に導入されたらジリ貧になるのは見えてるな。交渉が難航しているような報道もあるけれど、先方がそれで諦めるはずもない。既定路線なんだとしても、出来るだけの備えはしておきたい。株でも買い増すか?日本にもさらなる二極化の時代が来るとして、僕はどこまで耐えられるかねえ。
それと、マスコミの偏向報道について。日本の報道は言わずもがなだけど、そう言えばアメリカのマスコミだって同じことだったよな。幅広い視野を、と思って「フォーリン・アフェアーズ リポート」を読んでいたけど、あれだって結局西側の媒体なんだよね。
なんだかなあ。一旦考え、下した決定で満足し、思考停止に陥ってはいけない、という好例かもな。真の意味で独立を果たすってのは難しい。そんなのにばかり時間や労力を取られるのはどうか、とも思うし。自分に出来ることは限界があるんだし、何でもかんでも得ようとせず、自分の立ち位置を定め、それを守るのが賢い選択なんだろうなあ。それもまた難しいわけだけど。