自由をつくる自在に生きる
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/11/17
- メディア: 新書
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人間という動物は、そもそもそれほど強く自由を求めていない存在なのである。支配されることが心地良い状態だと感じる本能を持っている。(身分、神、自然、愛情、団結・協調、拘り、マスコミ)
僕は、「支配されていることの安心」を悪いというつもりは毛頭ない。すべての支配を排除して、完全に自由奔放になろうとすれば、人間として破綻を来すことはまちがいない。ただ、そういったものが「支配」であるという認識が大切だ、ということをいいたいのである。
僕は今現在の自分が自由だと自慢するつもりはない。何故なら、今でも不自由を感じるし、まだまだ自由だとは認識していないからだ。自由の価値というのは、過去の自分よりも、今の自分が、そしてさらに将来の自分が「より自由」になっていく変化を感じることにある。常に自由に向かって進む、その姿勢こそが、自由の本質だといっても良い。
肉体的なこと、常識的なこと、平均的なことに、人は無意識のうちに染まっていく。自由でいるためには、油断をしていてはいけない。いつも、何が自由なのか、と意識していることが大切だ。
自由を目指して生きる理由は、それがとんでもなく楽しいからである。
感想
自由について語った森 博嗣さんの本。「自由」は、僕も人生目標に掲げている到達点だからね。だから、そこが一致している著者の言説に共感するのも、当然というもの。
著者はこうした考えのもと、50年以上生きてきており、また小説家として成功して経済的な自由を確立している。それでもなお、自分が自由だとは認識しておらず、不自由を感じると言う。まあ、そういうものなんだろう。
著者も言うように、自由ってのは一度獲得すれば終わりというものではなく、常に追い続けなければいけないもの。僕も、そうするだけの価値のあるものだと思っている。生涯をかける長い道になるんだろうけど、今後とも目指し続けていきたい。