ヴェネツィア物語
- 作者: 塩野七生,宮下規久朗
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/05/01
- メディア: 単行本
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感想
「ローマ人の物語」の塩野七生さんと、美術史家の宮下規久朗との共著。ヴェネツィアを、多数の写真によって美術・建築の面から描いた一冊。
ヴェネツィアは、塩野さんの著作や、アニメ「ARIA」の影響もあって、僕にとってかなり思い入れのある街。実際に一度行ったことがあるし、機会があるならまた行ってみたいと思っている。そういう場所をもっと増やしたいんだけど、なかなか難しいんだよな。一回行ったら満足しちゃうことが多くて。だから本当に貴重。
そういう街だからこそ、もっと多くのことを知りたいと思う、んだけど。正直、美術ってのはあんまり頭に入ってこないんだよなあ。美術が分かればより世界が広がるってのは分かってるんだけど。今後の課題。今のところ、そこまでの興味が湧かないというか。誰が作っただの、絵画の細かい技術だのはあんまり。あと、教会美術なんかには、教会人の思惑やら当時の思想の貧しさ・制限を感じてしまって。まあ、それを言ったら西洋美術のほとんどが壊滅してしまうわけだけど。
全体的な雰囲気というか、圧倒的な迫力であれば楽しむことができる。だから建物や彫刻なんかの方が相性良いかな。それと、美術品にまつわる逸話や、そこに至る歴史なんかには興味ある。本書でも歴史に絡めた美術が語られていたので、そういうところは面白く読んだ。
物事は単独で切り出せるものではなく、全て全体との絡みの中で生まれている。そういうのを全てひっくるめて理解できるようになったら面白いだろうなあ。