40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

神話の力

神話の力

神話の力

人々はよく、われわれは生きることの意味を探っていると言いますが、人間がほんとうに探求しているのは、たぶん生命の意味ではありません。人間がほんとうに求めているのは、<いま生きているという経験>だと思います。生きている無上の喜びを実感する。それを求めているのです。


あなた自身の意味とは、あなたがそこにいるということです。私たちは外にある目的を達成するためにあれこれやることに慣れ過ぎているものだから、内面的な価値を忘れているのです。<いま生きている>という実感と結びついた無上の喜びを忘れている。それこそ人生で最も大切なものなのに。
神話はあなたに、自己の内面に向かうことができるのだと教えてくれます。神話のおかげでようやく、いま生きているという経験と関わることができる。


神話は絵空事ではありません。神話は詩です、隠喩ですよ。神話は究極の真理の一歩手前にあるとよく言われますが、うまい表現だと思います。究極のものは言葉にはできない、だから一歩手前なんです。神話は精神をその外輪の外へと、知ることはできるがしかし語ることはできない世界へと、放り投げるのです。
そういう経験と共に、ということはその神秘とあなた自身の神秘を知りつつ人生を生きるのは、大事なことです。それは人生に新たな輝きを、調和を、大きさを、与えてくれる。


私は生に目的があるとは信じません。生とは自己増殖と生存持続の強い欲求を持った多くのプロトプラズムにほかなりません。
生は至るところで無数の違った目的を持っているんです。しかし、あらゆる生命体は、ある潜在能力を持っており、生の使命はその潜在能力を生きることだ、とは言えるかもしれません。そのためにはどうすればいいか。私の答えは、「あなたの至福を追求しなさい」です。あなたの無上の喜びに従うこと。



感想
久しぶりの神話本。Amazonでも評価の高い本なんで期待しながら読んだけど、読み応えがあって楽しい読書になった。


「生きることの意味」について。この問題についてはそれなりに考え、自分なりの結論を持ってはいた。でも、「生に目的はない」とか、「あなたの至福を追及しなさい」とか、僕の考えと同じなんでちょっと嬉しくなってしまった。ありもしない「意味・目的」を求め、それが得られないからって幸福度を下げていたら、本末転倒だからな。さっさと、そんなものは無いと認めてしまったほうが精神的に良い。
まあ、自分自身で何らかの目的を定め、それで幸せに生きられるなら、それはそれでいいと思うけど。僕の結論も結局はそれと同じく、幸福に生きるための一つの決め打ちなんだろう。ただ、その道で本当に幸福になれているのかどうか、定期的にチェックしたほうがいいだろうけどね。


神話の意義について。神話は自分の内面に向かわせてくれるとのこと。やっぱり僕はこういう方面に興味があるみたい。哲学なり宗教なり。人の関心ってのは最終的にはそこに向くのかねえ。深入りするつもりはないけど、何物にも縛られない自由意志のもと、楽しんでいくことにしよう。