イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,玉田俊平太,伊豆原弓
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 単行本
- 購入: 59人 クリック: 811回
- この商品を含むブログ (397件) を見る
破壊的技術の特徴の一つは、大手企業にとって最も収益性の高い顧客は、通常、破壊的技術を利用した製品を求めず、また当初は使えないこと。概して、破壊的技術は、最初は市場で最も収益性の低い顧客に受け入れられる。そのため、最高の顧客の意見に耳を傾け、収益性と成長率を高める新製品を見出すことを慣行としている企業は、破壊的技術に投資する頃には、すでに手遅れである場合がほとんどだ。
一般に、新しい事業の顧客窓口になるのは、その会社の既存製品を担当する営業担当者である。これは、既存の市場向けに新製品を開発するにはよいが、新しい技術の新しい用途を見出すには適切な方法ではない。
いっそうの努力をすること、鋭敏であること、積極的に投資すること、顧客の意見に慎重に耳を傾けることは、新しい持続的技術によって生じる問題を解決するには有効である。しかし、これらの安定経営のパラダイムは、破壊的技術を扱うには役に立たない。それどころか、逆効果であることが多いのだ。
存在しない市場は分析できない。企業と顧客がともに市場を見出す必要がある。破壊的技術の用途となる市場は、開発の時点では単に分からないのではなく、知りえない。したがって、破壊的イノベーションに直面したときにマネージャーが打ち出す戦略と計画は、実行するための計画というより、学習し、発見するための計画であるべきだ。慎重な計画を立てる前に、行動を起こす必要がある。
感想
この本はだいぶ前に購入していたんだけど、図書館で借りた本を優先していたため、ずっと後延ばしになっていた。でも今思えば、もっと早めに読んでおけば良かったなあ。それほど衝撃的で興味深かった。実際、梅田さんの「ウェブ進化論」「ウェブ時代をゆく」に匹敵するインパクトだった。たくさんの気づきを得ることができた。本当に納得させられた。この興奮を是非業務にも活かしていかないといけないよなあ。
この本の続編があと2冊、積んであるので、早めに読んでいきたい。