40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

地球と一緒に頭も冷やせ!

地球と一緒に頭も冷やせ!

地球と一緒に頭も冷やせ!

地球温暖化は本当だし人為的なものだ。それは今世紀末にかけて、人類や環境に深刻な影響を与える。とはいえ、マスコミがしょっちゅう描くような、大災厄や文明の終焉じみた特徴は一つも出てこない。地球温暖化のすさまじい、邪悪で、即時的な影響についての発言は、しばしば極端に誇張されているので、よい政策をもたらすとは考えにくい。
地球温暖化についてはもっと賢い解決策がいる。気候変動への対処は一世紀にわたるプロセスで、何世代にも、幾大陸にも、各種の党派にもまたがる必要がある。だから手早い高価な解決策を考えるのはやめて、低コストで長期的な研究開発に専念すべきだ。
地球温暖化よりもずっと重要な課題はたくさんある。今日では、気候変動は文明の主要な懸念事項になり、京都議定書のような対応策がやたらにもてはやされる。でも本書では、気候変動にばかり注目するのは間違っていると論じる。視野を取り戻す必要がある。世界には他にもっと緊急性の高い問題があるし、そっちならかなりの成果もあげられる。人々にとっての必要性もずっと高いし、最終的には成功の見込みもずっと高いのだ。


感想
前に「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている」という本を読んだときも衝撃を受けたけど、今回はそれ以上の衝撃を受けた。全体の感想としては、そのときと同じ、「人間ってアホだなあ」ってことなんだけど。
でもそのアホさ加減というか、偏執的妄信的信念というか、そういったものを宣伝している人間や、それに踊らされる人間に対し、怒りすら感じた。読んでいてムカムカした。科学の発達によってこれだけの高度な暮らしを得た人類なのに、何でこんな初歩的な論点でつまずくんだろう。
色んな思惑や利害関係が折り重なって、今の事態を生んでいる。「それが人間ってもんだ」なんて達観できるほど、まだ枯れてはいないつもりだ。だからといって何ができるのか。もどかしいなあ。僕にもっと力があったら、とか考えてしまう。でもこれだけの世論を引っくり返すほどの力なんて、独裁以外の何物でもないけどね。

まあでも、この本を読めて良かったな。僕の中にも意固地な部分はあるだろうからな。一方の見方に凝り固まるのではなく、議論を両側から中立の立場で眺めて判断し、適切な行動を取れる柔軟な人間になりたい。