アリリタまでの道４（退職編）

年始に宣言した通り、年明けすぐに上司に退職する旨、報告した。

多少驚かれはしたけれど、特に引き留めもなく、スムーズに話が進んだ。退職理由を変に誤魔化すことなく、「十分な資産が得られたので」と伝えたからね。引き留めようにも、そのための言葉が思いつかなかったのかも。上司の上司との面談もなかった。あまりにトントン拍子に進むもので、あっさりしたもんだなあと驚いたよ。前言を翻すつもりもなかったんで、手間が省けて良かったんだけどさ。

業務の引き継ぎもあっさりしたものだった。丁度、コロナの感染が広まっていった時期と重なったからね。テレワークに移行していたから、顔を合わせることもなく。引き継ぎ資料を作って、電話で軽くフォローするのみで終了。それで済むあたり、その程度の仕事だったんだなあと改めて認識したり。何かしらの問題は起きたのかもしれないけど、まあ何とかしたんだろう。

そして迎えた最終出勤日。16年も働いてきた場所。定年まで働く人達からすれば圧倒的に短いとはいえ、16年ってのはこれまでの人生の中で所属してきたどの組織よりも長い在籍期間。自分がどんな気持ちを抱くのか、興味もあった。

でもそこでまた、コロナの影響が。出社している人もほとんどいないんだよね。退職を伝えるのも電話やメールがほとんどで、直接伝えられたのは数人に過ぎなかった。退職体験記にあるようなイベントは全く発生せず。送別会も無かったからね。まったく、コロナはやってくれたよ。

僕としても、あまり大々的にしたくはないと思っていたけど。それが最大限で叶えられてしまった。そんなわけで、退職にあたっての感慨もあまり湧かず、若干後味の悪い終わりになった。

まあ、過ぎたことを考えても仕方ない。そんなことより、今後のこと。有り余る時間で、有意義に人生を過ごしていきたい。

色々と手続きしないといけないこともあるわけで、早く落ち着いて生活のリズムを確定させたい。