シラス（ゲンロン完全中継チャンネル）感想

豊かに生きるとはどういうことか。金が儲かるということではなく、色々なものの意味に満たされながら生きていくこと。意味とは理念でもある。なんでこの生活をしてるんだろう、なんで自分はこれを買ってるんだろう、なんでここに住んでるんだろう、なんでここで生きてるんだろう、みたいなことについて、値段が安かったから、だけでは意味って生まれなくて、何かの意味があると生活が豊かになっていく。生きていることが、いろんな意味とか理念とかに囲まれていった時に、生きることが豊かになる。
条件反射では無意味になる。生活として貧しい。

―2021年9月10日放送「【昼突発】東浩紀が酒なし延長なしで話します」より―

ゲンロン友の会第11期の会員期間は2021年9月末まで。その期間中、哲学・批評に親しむ1年にすることを決め、ゲンロン誌を読破し、そこから派生した本も多く読んできた。その活動の総仕上げとして、ゲンロンの動画配信プラットフォーム・シラスに月額課金した。ここを外してはダメだろう、と。それにしても、お値段6600円。高い！

Youtubeの無料コンテンツや、ニコ生チャンネルの月額550円とかに慣れ過ぎた弊害。オンラインサロンとして考えると相場通りではあるんだけど、そういうのとは縁遠かったし。ただ、個別に番組を視聴すると990円、これが見放題になり、しかも半年のアーカイブがあることを考えると格安とも言える。

実際、体験後の今振り返ってみると、6600円の価値は十分以上にあったし、大満足だった。

これまでは有料の壁に阻まれて、ほとんど東さんとは縁遠くなっていた。実際、東さんを久しぶりに見たのは、2020年9月30日にYoutubeで放送された、ゲンロン友の会入会を呼びかける番組。その前に見たのは、2017年4月の「ゲンロン0」刊行記念トークイベント番組。

これでも、東さんには興味あったんだけどね。それまでにも著作を何冊も読んでいたし。それだけ課金のハードルは高かった、と。今回、遂にその壁が解かれ、今までの鬱憤を晴らすかのごとく大量に番組を視聴した。

そのおかげで、東さんの思想に深く馴染むことができた。東さんの突発放送で、最近考えていること、ゲンロン12で書いていることなんかを繰り返し教えてくれたんで、今までよりも深く理解できるようになったと思うし、東さんを身近に感じた。シラスの視聴を決めたのは正解だった。やっぱり何でも一度は経験して判断しないとね。

東さんの放送以外にも、公式放送として色んなジャンルの番組が提供されている。それを見ることで、僕の狭い知識がちょっとは広げられたように感じるし、紹介された本はこれからどんどん読んでいきたいと思う。詰め込んで番組を見たおかげで、ストックが大量に増えてるんだよな。これ、いつ吸収し終わることやら。当分はお腹一杯。

かなり充実した1ヶ月だった。だらだらとYoutubeを見ているより遥かに有意義だった。知的好奇心を刺激された。これからはまたシラスを離れ、過去の日常に戻るわけだけど。無為な時間を過ごすことなく、ここで得られた種を色々と育てていきたい。その後、またシラスに戻ってこよう。アーカイブが半年あるとはいえ、時事問題を扱う番組はさすがに情報が古くなっている。毎月課金はきついけど、間を取って3ヶ月ごと、くらいかなあ。