40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

日本の分断

外交安保リベラル票は、8%と一割を割り込む。立憲民主党がこの8%を共産党と分け合うことにはあまり意味がない。つまり、野党政治家が政権への怒りを表明したSNS投稿で稼ぐ、数千から数万程度の「いいね!」は、所詮内輪での「バズり」であり、そうした戦い方では支持を広げることはできないと見るべきだろう。政権交代を可能にしようとすれば、自民党を評価しないマイルド層を取り込んだうえで、さらに自民党をやや評価している層までも惹きつける必要がある。

 

社会リベラルの価値観を持つ人は、「日本人価値観調査」で全回答者の54%に及んだ。普通に考えれば、野党の戦略は外交安保で自ら中道リアリズムに舵を切ることで自民党の利点を奪い、自民党を社会保守政党に追いやることであるはずだ。
野党に自民党の支持者を切り崩す戦略が浸透しないのは、メディアでも論壇でも自民党への嫌悪感を持つ層に同調することが、楽に喝采を得られる道だからだろう。

 

政治家に経済政策思想が欠けているということは、経済政策が選挙におけるもっとも重要な対立軸ではないということの必然的な結果である。経済政策をめぐって政党の切磋琢磨が行われないために、改革のエネルギーは行革に流れ込みがちである。

 

 

感想

4/13に放送されたゲンロン・シラス番組「わたしたちのよりよい分断のために」で紹介された本。あの番組がかなり面白かったので、購入して読んでみた。

 

日本人の過半数は社会リベラルの価値観を持っており、社会保守である自民党とは意見が異なる。ただし、外交安保に関してはリアリズム(改憲容認、日米安保維持)が多数となるため、それに反する主張をする野党に乗ることは出来ず、自民党支持となる。保守だけでなく、外交安保リベラル以外の票は自民に集まる構造。
これが、自民党が長期政権となっていることの原因。

 

野党が与党に噛み付くばかりで一向に支持を集めない理由が、データによってしっかりと示され、めちゃくちゃ納得すると共に、相変わらずの野党の姿勢に呆れも感じた。本当に政権を担うつもりがあるのなら、少数に強く響く主張をして、それに同調する人からの称賛に気持ち良くなっているだけで済まさず、現実的に票を狙って思想を修正する必要がある。今までのコアな支持層の反発を買うことを恐れ、それが出来ないのかねえ。見事な硬直性。それがそのまま、与党を利して、長期政権化し、利権化・腐敗を招く。だとしても、野党に政権を任せられないというこの地獄。笑っちゃうけれど、これがこの国の現実。投票率が下がるのもむべなるかな。

 

twitterでの承認が気持ち良すぎてそこから立場を変えられないのは、東さんがJリベと呼ぶ批評家たちと同じ。ローコストで承認が得られるのは麻薬のような効果があるんだろう。一部が拡大して表示され、全てだと思いこむ罠。全体が見えなくなる。今は過渡期であり、苦い失敗を経て今後立ち直る日が来るんだろうか。他人事ながら、早く健全化してほしいものだ。

 

自民党が結局改憲しないのも、そうして争点を残したままのほうが、支持をずっと集め続けられるからかねえ。与党はやっぱりしたたか。野党にも、そういう老獪さを身に付けてもらいたいね。