「今の中国」がわかる本
「今の中国」がわかる本―この100年で中国に起こったこと、そして、これから起こること (知的生きかた文庫)
- 作者: 沈才彬
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
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日中関係が過去最悪になったのは、中国の反日教育や貿易摩擦のせいもあるけど、小泉元首相の靖国参拝も大きく関係しているということだ。小泉さんはいい首相だったように世間的には思われているけど、国際関係から見ればとても良かったとは言えないみたいだ。これに限らず、物事を一方面からしか見ないのは危険なことだ。マスコミの操作もあると思う。幅広く情報を集め、様々なことを多方面から評価していきたい。
中国の近代史も扱われているのだが、かなり興味深かった。特に、1820年の世界GDPランキングで、中国のシェアは28.7%もあったというのは驚きだった。産業革命を経験しているイギリスでも5.2%、アメリカは1.8%、日本は3.1%だったらしい。中国はもっと以前から停滞していたのかと思っていたが、改めて中国の凄さを知らされた。そんな世界の先頭を走っていた国がその後急速に没落していくなんて、悲しいことだ。考えさせられる。
1840年のアヘン戦争以降、列強諸国にどんどん侵食されてしまった。1949年の中華人民共和国の樹立までの100年間が中国の暗黒時代となる。その後も、毛沢東による文化大革命で知識軽視の動きは中国を停滞させ続けた。その流れが変わるのが毛沢東の死後、訒小平が実権を握った1978年から。改革開放路線に舵を切り、現在見られるような繁栄を築くに至った。まだその恩恵は沿岸部のみで、内陸部には及んでいないけど、これからの中国はアメリカと二分する勢力に成長していくんだろう。やっぱり人的パワーというのはものすごいものがあるんだろうと思う。
日本はこれから少子化が加速する段階にあるが、競争力を維持し続けることはできるんだろうか。人が少なくなれば、それだけ優秀な人材も少なくなると思う。日本は既に、輸出よりも投資で外貨を多く稼いでいるそうだが、そうやって過去の遺産に頼りながら生きていく存在になるんだろうか。利息収入を持っている人はいいが、持っていない人は?国が持ってるから大丈夫なのか?こういった観点からも将来予測はしておくべきだなと思う。外国株式・債券を多く持つようにするとか。色々考えることができて楽しかった。