40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める

本書では、データ分析の影響がいかにすごいかを語る。企業内外の意思決定者たちは、あなたの想像もしなかったような形で統計分析を使い、各種の選択がそれに左右されている。世界中のあらゆる産業は、現代コンピュータのデータベース能力を中心に再編されつつある。

未来のマーケティング担当者は、多変量回帰や過去のデータベースのマイニングといった社会科学手法を採用するだけでなく、科学の無作為抽出テストも活用するようになる。企業は、情報の価値を認識している。だから企業が自分や顧客のやることを昔よりしっかり記録しているのも当然だ。だが企業はもっと積極的に、足りない情報は何かを調べて、データのギャップを埋めるような行動をとるべきだ。そして何が何を引き起こすかという情報を作るには、無作為抽出テストに勝る方法はない。

予測プロセスの中で、われわれ人間がマシンよりも上手にできることは一体何なのだろう?一言でいえば、仮説立案だ。人間に残された一番重要なことは、頭や直感を使って統計分析にどの変数を入れる/入れるべきではないか推測することだ。統計回帰分析は、それぞれの要因につける重みは教えてくれる(そしてその重みの予測精度も教えてくれる)。だが人間は、何が何を引き起こすかについての仮説を生み出すのにどうしても必要なのだ。だれかが試験そのものの仕様を決めなくてはならない。


感想
かなり衝撃を受けた。統計の力ってのはすごいんだなあ。今の仕事においても使える部分はありそう。勉強して、使いこなせるようになりたい。統計の資格試験について調べてみたんだけど、あまり大したものではないみたいだな。資格商法の一つって感じだし。まあ、資格自体に意味はなくても、その手法が学べるってんならやってみてもいいんだけど。もうちょっと情報を集めてみよう。
「自分自身がどのくらい偏りのない推計ができるか」のテストをしてみたところ、10問中4問しか正解できなかった。身をもって、人間の思い込みの強さや柔軟性の乏しさを感じた。専門家としての意地なんて捨てて、計算に優位性があることはどんどん任せていくべきだな。教育分野のように、効果があってもなかなか導入が進まない分野はあるだろう。でも利益追求を目的とする企業では、今後様々な分野でどんどん絶対計算の活用は進んでいくと思う。計算では代替できない分野もあるんだから、そっちの能力を磨いて人材としての価値を確保しつつ、計算を使いこなしてより成果を高めていきたい。
芸術への活用ってのも興味深い。「人に受ける作品を作ることは芸術なのか?」とも思うけど、商業主義の世の中では仕方ないのかな。商業としては採算が合わない、細分化された趣味嗜好の分野では人の感性ってのは残るのかもな。まあ、全てが計算に染まるわけでもないし、どれだけ比重をかけるか、要はバランスってことだろう。