十字軍物語 1
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/07/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/09/01
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「ローマ人の物語」を書いた塩野七生さんによる最新作。今回は中世の十字軍について扱っている。それにしても塩野さんは凄いなあ。「ローマ人の物語」という、1年に1冊ずつ発表された計15冊の大作を無事に完結させた後も、中世の海賊を扱った「ローマ亡き後の地中海世界」を書き上げ、そして今回のシリーズに取り組んでいるんだから。1937年生まれだから、もう結構なお歳なのに。今後もどんどん作品を発表していって欲しい。塩野さんの本って読んでいて楽しいからな。歴史書と小説の魅力が合わさっているというか。その文体に惹きこまれるんだよなあ。
図書館から「十字軍物語 1」が届くのに合わせ、事前に本屋で「絵で見る十字軍物語」を立ち読みしておいた。これはドレの絵をベースに、十字軍の歴史を簡単に説明していくもの。細部に入る前に全体像を掴むのにいい感じだった。
そして本編へ。1巻は第一次十字軍について扱っている。第一次十字軍といえば、「エルサレムの奪還に成功した」ってことくらいしか知らなかったので、それまでの道のりをたっぷり知ることができて良かった。やっぱり、攻撃側の立ち位置ってのは読んでいて爽快だよな。ローマの勃興期・拡大期みたいに。これが、停滞期・衰退期に入っていくとちょっと憂鬱になっていくからなあ。2巻以降、楽しく読んでいけるかどうか。期待している。
まあ、ローマ時代の蛮族にはあまり感情移入できなかったけど、中世の中東は西欧以上に繁栄していたわけだからな。文明の破壊者ってわけじゃないし、あまり憂鬱は感じないで済むかも。むしろ十字軍のほうが、自分たちの勝手を押し通す無法者なわけだから。イスラムの側に立って十字軍を見ていくのも面白いかもしれないな。