仏像の本−感じる・調べる・もっと近づく
- 作者: 仏像ガール〔本名:廣瀬郁実〕,西山厚
- 出版社/メーカー: 山と溪谷社
- 発売日: 2008/10/24
- メディア: 単行本
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薬師如来さまの役割を一言で表すと、「現世利益」。私たちが今生きている世界で抱える、病気や悩みなどをすべて解決してくれる仏さまです。はるか東の果ての東方浄瑠璃浄土と呼ばれる場所に住んでいます。
反対の方角に住んでいる西方浄土の阿弥陀如来は、現世ではなく、人が死んだ後に極楽に連れていってくれるという仏さまなので、東西で対照的ですね。
感想
仏教研究の第五弾。今回は仏像に迫ってみた。神社仏閣巡りは好きなんで仏像もよく見るんだけど、実のところどうやって見ればいいのか分かっていなかったんだよね。説明書きを読まないと、どの種類の仏像なのか分からないし。薬壺みたく、特徴のあるアイテムを持っていれば別だけど。
仏像の見方なんて、「心で感じればいい」んだろうけどね。理性的に分析するような対象ではない。とはいえ、今の知識状態ではあんまりだからな。色々な豆知識が得られて楽しかった。これでちょっとは、仏像の見方が変わるかなあ。
僕は、仏像を拝むことで願いが叶うなんて思っていない。神社への参拝やお賽銭にしたってそうだけど。結局ああいうのは、舞台装置だと思うんだよね。自分の願いを実現させるのは自分自身で、そういう場所で祈るのは、その気持ちを強めるっていうだけ。自宅では勉強できない人が、図書館に行くのと同じ。気持ち・願いを強く持てる人は、そんな場所に行かずとも、実現のために努力できるし成果も出せる。
まあこれは、「自宅で勉強できる人」側の意見であって、それを必要としている人がいるってのは重々承知している。それに、願いを聞いてもらうだけがお寺や仏像の意義じゃないしな。図書館が、勉強をするだけの場ではないように。
著者も言っているように、仏像の魅力ってのは、「そこに込められたたくさんの想い」だと思う。何百年、時には千年以上にわたり、色々な人々がそこに思いをかけてきた。叶った願い、叶わなかった願いもあっただろう。真剣な願いやそうでない願いもあっただろう。時代も人々の考え方も様々に変わってきた。その歴史を、一身に集めてそこに「ある」。そんな風に考えて、その歴史に思いを馳せるのは、なかなか楽しい。込められた「想い」の一端をより味わえるよう、今後ももっと勉強していきたい。色々なことを知っていきたい。