40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

四書五経入門―中国思想の形成と展開

四書五経入門 (平凡社ライブラリー)

四書五経入門 (平凡社ライブラリー)

孔子は『礼記』にて五経の教育上の効果を述べた。
詩経』の学習は、人心をやわらげ、情愛を深めさせる効果がある。学習が浅薄であると、ただのお人よしになる。
書経』は、歴史に通じさせ、知識を豊かにさせる。衒学的なほら吹き学者にならないように注意すること。
易経』は、精神を鎮め、思考を精密にさせる。世俗を軽蔑して非社会的・反社会的にならぬように注意。
礼記』は、身を引き締め、態度を慎重にさせる。礼儀作法に拘泥して細事にうるさい人物にならぬように注意。
『春秋』は、事件と事件の関係を正確に記述する能力を会得させる。物事の因果関係について詭弁を用い、常識を攪乱することにならぬように。


「まず詩を読み習って物事に興味を抱くようにさせる。次に礼を学んで交際の作法をおぼえさせる。次に音楽を修めて教養のしあげをさせる。これが君子を作り上げる順序である」


経学が貴族や官僚の必修教養であり、また科挙に密接であること、これは将来有為の青年を経書の学習に閉じ込めて、若い精力を大いに消費させることであり、これは儒教の名文主義の機能とともに、青年の政治や社会に対する批判や改革の意欲を抑圧し、為政者に従順ならしめる効が甚大であった。
唐の太宗皇帝は、即位の初期に科挙の法を定め、これを実施したが、第一回の科挙において、全国の秀才が列をなして試験場に進み入っていくさまを望見したとき、「ああこれで、天下の豪傑はみなわが矢ごろの中に入った」とつぶやいて、ほくそ笑んだ、と伝えられる。



感想
四書五経って名前はよく聞くけれど、その中身については知らなかった。そもそも何が四書五経に当たるのかすらよく知らないし。というわけで前々から一度調べてみたいと思っていたんだけど、今回ようやくその機会と捉えることができた。


四書五経儒教の根本教典。四書とは「「論語」「大学」「中庸」「孟子」のこと、五経とは「易経」「書経」「詩経」「礼記」「春秋」のこと。
この本では、それぞれの本の簡単な内容について、またその成り立ちについて述べられている。四書五経の概要が分かり、結構満足した。余力があれば、今後一つひとつの本の詳細に入っていくかな。中国で成立した本ではあるけれど、日本でもそれを取り入れてきた歴史があるわけだし、日本を構成する一要素になっているんだからな。