40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

レヴィ=ストロース入門

レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書)

レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書)

哲学を放棄して文化人類学に転向したレヴィ=ストロースサルトル批判が、西洋哲学という枠からの離別の表明であったということが浮かびあがってこよう。
「私が哲学をやめて民俗学に志したのは、明らかに、人間というものを理解するためには内省に閉じ篭ってばかりいてはだめだと、たった一つの社会−というのは自分たちの社会のことですが−だけを考察するのでは不十分であると、あるいはさらに、西洋の数世紀の歴史を眺め渡してよしとすることはできないのだということが理由になっていたことは間違いありません。」


レヴィ=ストロースは歴史へのある種の見方を批判しているが、それは、歴史に客観的な発展法則があるとしたり、歴史に「自由な意識の進歩」といった究極の目的があるとするような、西欧近代に生まれた歴史意識なのである。レヴィ=ストロースの批判は、西洋近代が単一のマクロな歴史の連続性によって、他の社会の発展段階を低い段階に位置づけるような、特殊な歴史意識を持っていることに向けられていた。


神話というものは、自然から文化への移行、いいかえれば連続から不連続への移行という、同じテーマの変奏であり、神話の役割はただ一つ−連続と不連続のあいだの調停−である。
レヴィ=ストロースにすれば、神話にはそもそも作者はいない。また、神話を、人々が意識的にアイデンティティを確立するためのものとも考えない。



感想
レヴィ=ストロースの入門書。とか言っておいて、序盤からいきなり専門的過ぎて、ちょっとどころでなく置いてけぼり。入門書でこのレベルってどうなの?と、焦った。骨太すぎるだろ。ただ、個々の著作の紹介に入ったところからは、ちゃんとその役目を果たしてくれたけど。本当、どうなることかと思ったよ。


まあ、お手軽に上澄みだけ掠めようとするこちらの姿勢もどうかってのはあるけどね。歴史の流れを追って順に見ていかないことには、著者が前提としていることや、周りとの関係などの背景も分からない。そういうのまで理解していたら、より良く味わえるんだろうけど。
まあ、僕のレベルではまだ知を組み立てる段階には来ていないだろうし。まずは骨格となる材料を集めるところから始めよう。