「権力」を握る人の法則
- 作者: ジェフリー・フェファー,村井章子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/07/21
- メディア: 単行本
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自分の仕事ぶりについて考えるとき、ぜひとも確認すべき点が一つある。それは、自分の行動や発言、そして仕事の成果は、上司をいい気分にさせているか、ということだ。いい気分というのは、あなたに満足するという意味ではなく、上司自身が自分に満足しているか、という意味である。あなたがいまの地位を確保し、さらに上へ行く確実な方法は、端的に言って上司をご機嫌にしておくことなのだから。
高い地位に到達する人とそうでない人は、二つの基本的な要素によって歴然と分かれる。それは、困難に挑戦しようとする意志、そしてその意志を目標達成に結びつけるスキルである。七つの資質のうち、決意、エネルギー、集中の三つは意志の力である。残る四つ、すなわち自己省察、自信、共感力、闘争心は、スキルとして身につけることができる。
能力とキャリアの成功(昇給・昇進)との相関性は低く、最も相関性が高いのは先進技術の理解度、次がネットワーク力であることがわかった。
「まだそれほど偉大ではないのに、そんなに謙遜することはない」
感想
出世して権力を握るため、影響力を行使するために必要なことを語る本。
とはいえ、本当のところ僕自身、出世してやろうと思い定めているわけではないんだけど。目標にも掲げているように、全体最適によって効果を最大化するためには、周りを巻き込み、動かす必要がある。そのためには、しかるべき地位に就くのが一番効率的だろう。「何かを成し遂げるためには欠かせない」。
でも一方、権力を維持・拡大するための駆け引きなんてのには興味ないし、自分の自由は確保したいし、プライベートも楽しみたいし。地位に伴う犠牲を受け入れる覚悟があるのかと言えば、ちょっと躊躇してしまう。今の上司や、その上を見てみても、本当にそれを求める価値があるのか?とかね。
そんな都合よく良いとこ取りなんて出来ない。自分が求めている方向性はどちらなのか、そろそろ考えておかないとな、と。というわけでこの本。どちらを選ぶにせよ、その選択肢がどういうものなのかを知らないことには、選びようがないからな。読んでみて、かなり参考になった。ここに述べられていることを実践したら、結構効果はありそうだな。仕事が出来ることが第一条件ではないってのは、なるほどなあと思わされた。
それに、権力を追い求めるのではないとしても、周りから評価を得ることは大切。どちらにせよ、一目置かれる存在ではありたいから。今後の経済の混乱・低迷を考えてもね。また、仕事だけが、影響力を及ぼす場でもないし。そのためにも有効な提言だった。
この一冊で方向性を決められたわけでもないけれど、今後も関連本を読んでいき、考え続けていきたい。