琉球王国
- 作者: 高良倉吉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1993/01/20
- メディア: 新書
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しかし、日本への属し方が支配−被支配関係を軸とする直接的なものであったのに対し、中国への属し方は外交・貿易を媒介とする間接的なものであったから、両者を「両属」という同一レベルで表現するのは正確とは思えない。それに、日本の封建国家に従属し、中国皇帝の冊封をうけたとはいっても、琉球の土地・人民を直接的に統治したのは琉球国王であり、その統治機関たる首里王府であった。
そこで、このような多義的な事情をカウントにいれたうえで、最近の歴史家は近世琉球の基本的性格を「幕藩体制のなかの異国」と表現するようになっている。
琉球王国の存在意義は、単一国家論・単一民族論によってカモフラージュされるか、さもなくば曖昧なかたちで描かれつづけてきた。琉球王国論は、胸をはって堂々と自己主張すべきである。琉球王国に関する歴史像を深めることは、琉球史の側の問題であるにとどまらず、日本史や東アジア史を豊かにする作業にもつながるのだというスタンスでとりくまねばならない。
感想
今年のゴールデンウィークは沖縄に行くことにした。前々から行きたかったんだけど、タイミングが合わないでここまできていたんだよな。ようやくその念願が叶いそう。既に飛行機・宿・レンタカーは手配済み。後は、この旅行を思い出深いものにするための準備をするだけ。
僕は海外旅行ではイタリア、国内旅行では北海道が最も印象に残っているんだけど、どちらも旅行前から思い入れが深い場所だったからな。そこに長いこと思いを馳せてきていたし、事前の情報量も他と比べて多かったし。どちらも、もう一度行ってみたいと思っている。もちろん、それ以外の場所の旅行も楽しかったけれど。もっとやりようがあったようにも思うんだよな。
沖縄も、イタリアや北海道と同じくこれまで憧れてきた場所。それらと同じくらい印象に残る旅にしたい。少しでも嵩上げをしたい。
というわけで今回の本。著者は首里城の復元作業にも関わってきたそうだ。
沖縄の歴史といえば、第二次大戦期のことばかりが大きく扱われている。そこについてはそれなりの知識を持っているけれど、その前についてはほとんど知らない。今回の本を取っ掛かりに、色々と沖縄について知っていきたい。本媒体だけでなく、色々なチャネルを使って、様々な面から触れていきたい。