40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

定年後7年目のリアル

わたしは十年一日のような「なにもない」生活にまったく飽きない。たぶん、このような生活は「お米」のようなものなのだ。いつ食べても美味しい。シラスやおかかや梅干しや昆布をちょっとのせるだけで、味が一層ひきたつ。生活もおなじである。これが基本だ。「なにもしない」静かな生活はコシヒカリのように滋味があるのだ。


前作『定年後のリアル』をお読みいただいた方には、よし、この男は相変わらずだな、なにも変わってないな、死ぬまでそのままでいけ、と思っていただけるならば喜ばしい。


「生きがい」は不要だといいたいのではない。充実も充足も達成も要らない、そんなものはないといっているのではない。あるに決まっている。そんなものは一番筆頭にもってくる必要はないといっているだけである。そんなものはいらない、ではなく、なくても全然かまわない、というだけである。ちょっとした希望がある。愉しみがある。夢中になれる。することがある。そういうものがあれば十分である。なにもなければしかたがない。なにもしなくてもいい。なにもしないことを楽しむことができればいいのだ。



感想
前作「定年後のリアル」の5年後の現状を綴った本。本屋でぶらぶらしていた時に見つけ、早速購入。前作の著者の語り口が軽妙で愉しく読めたからな。その後の変化などあれば知りたいってのもあったし。


相変わらず愉しくは読めたけど、だいぶ内容が薄かったような。読んだ本からの引用やら、近所でよく見かける人たちの観察やら。言いたいことは前作にほとんど詰めたってことかね。まあ確かに、5年で劇的に生き方や思想が変わるわけはないよな。著者自身、積極的に動く人間ではないし、何も無い、あるがままを受け容れる人だったし。当然の結果だった。
まえがきにも書いてあるけど、相変わらずの様子が確認できただけで、まあ良かったかな。著者の思惑通りすぎてちょっと笑ってしまうんだけど。


僕もこういう生き方には共感できるな。もちろん、リタイア後にやってみたいことは色々あるし、著者ほど「何もしない」を極めるつもりもないんだけど。ただ、そういう生き方も有りだ、という最低限のベースを持っていれば、それ以上のことは全てボーナスとしてありがたく得られそうだし。まあこれも、有用な生活術ってやつかね。考え方一つで生き易くなり、それが自分と相性がいいとなれば、さっさと取り入れるに限るよな。まあ、元々持っていた思想ではあるんだけど。それで問題無さそうだ、というのが確認できたのは良かった。