知的生活
- 作者: P.G.ハマトン,渡部昇一,下谷和幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1979/05
- メディア: 単行本
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時間を節約する一番いい方法は、なにかを学んだり行ったりする時には、必ず、完全にものにするのだという強い気概をもって臨むことです。そして、一方、どうにもならない限界がみえた時にはいさぎよくそれを認めてしまうことです。不完全な習得に費やされた時間は、大部分は無駄に費やされたのです。
断念せずこれからも研究を続けていくことになった対象について、次に決断すべきことは、どの程度まで研究を押し進めるか、その厳密な限界を設定することです。
孤独の悪影響ばかり見て、悪影響と引き換えに孤独がもたらす利点を見ようとしないのが人々の年来の傾向です。孤独で生活する人は、自分の時間を、自分の財産を、君主のごとく思うままに使えます。見栄を張る必要もなく、質素に、心のままに、ゆったりと暮せます。
「世の中にある者は、己が時代を生きる。孤独にある者は、あらゆる時代を生きる。」
幸福な生き方というのは、自分の中の一番すぐれたものを絶えず磨き、伸ばしていくような生き方なのです。
感想
「座右の古典」で紹介されていた本。僕も、知的生活に憧れ、目指していたように思うけど。この本で言っているようなものとは、やっぱり違うよなあ。知識のつまみ食いに過ぎなく、本当にモノになったものなんてない。歴史、哲学、政治、等々。その時々の好奇心を満たしてはくれたけど、それを自分の核として形成できているわけではない。それら全てが合わさって今の自分が形成されているとは言えるけれど、明確に「コレ」として提示できるものではない。
そして、今後は知的生活を目指そう、と考えているわけでもない。一つ二つに熱中し、そこから大いなる成果を引き出そう、なんて。それよりは、世の中の進歩の恩恵に与ろう、という立ち位置。さっさとリタイアすることなんて考えているくらいだから、当然ではあるけどね。
知的研究に邁進している人たちのおかげで、今があるというのは分かっている。でもそれは、そういうことをするのが好きだったというだけの話だろう。好きの方向性がたまたま世の中に貢献できるものだっただけ。そうではない人たちが、無理に道を変える必要は無い。人それぞれ、自分の道を進めばいい。本当、多様性ってのは素晴らしいね。
まあ、タダ乗り側の人間として、別に今以上を求めているわけでもないしね。
自分の生き方を達成するため、その障害となるものを排除するため、そのためにこそ思考力を磨き、必要な知識を手に入れ、行動していきたい。見栄なんて気にせず邁進する姿は、知的生活者のものと似ているのかも?