40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

7割は課長にさえなれません

7割は課長にさえなれません (PHP新書)

7割は課長にさえなれません (PHP新書)

アメリカでは、起業がもっとも優秀で政府職員や大企業は一段落ちる就職先だが、日本では逆なわけだ。どちらがよいだろうか?その答えは、すでにわれわれ日本人は一度身をもって経験している。強固で安定した身分制度を屋台骨とした江戸時代、社会は安定していたが発展はしなかった。一方でかつての南蛮人たちは大挙して黒船で押しかけてきて、危うく日本は植民地化される寸前だった。流動性を失った社会は、必ず停滞し、競争力や活力を失うのだ。
若者が夢をあきらめて組織に埋没していく姿は、江戸期の身分制そのままではないか。これを打破しないで日本の発展はありえない。


感想
日本の雇用システムの問題点を、現状を説明しながら詳しく説明し、それを打破するための方法を提示する。日本社会が停滞し閉塞感に覆われているってのはよく分かる。早急に何とかしないといけないだろう。でもやっぱり、声高にそれを主張するにはちょっと抵抗を感じてしまうものがあるなあ。
とりあえず上場企業の正社員なので、本書でいう既得権者の立場にいるわけだ。どんな大企業でも安定・安泰なんてことはないってのは良く分かっているけれど、そうだとしても派遣や契約の人よりは確実に安定した立ち位置にいるんだからな。今後賃金があまり増えないとか、ポストが少なくなっているとか問題はあるけれど、それに強く不満を感じているわけでもないし、積極的に今の雇用システムを破壊しようっていう意欲は湧かないな。やっぱり何だかんだ言いつつ、未知の状況ってのは怖いからな。そうなった時、本当に大丈夫だろうか、やっていけるだろうか、って。
まあ、適応力はあるほうだと思うんで、そうなったらなったでそれなりにやってはいけるだろう。抱えているもの・守るべきものも現状特にないわけだし。もっと早くに雇用システムが変わっていたら良かったのに、とか思ったりするのかもしれない。
さしあたってやるべきは、現在のシステムを打破するために行動するよりも、そうなったときに待遇を落とされるような存在にならないよう、自分の市場価値を上げること、かな。弱者を食い物にしながら、ってのはちょっと肩身の狭いものがあるけど。既得権を持った人がそれを意地でも手放したがらない、その気持ちがちょっと分かった。そういう人は自分からは動けないよなあ。変えられるとしたら、失うものを持たない搾取される側の人か、乱世になってもやっていく自信がある実力・自信のある人か。早くそういう存在になりたい。