40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

シラノ・ド・ベルジュラック

シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)

シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)

「最後に俺が倒れるのは、承知の上だ。それがどうした!戦う!戦う!戦うぞ!そうだ、貴様らは、俺からすべてを奪おうという、月桂樹の冠も、薔薇の蕾も!さあ、取れ、取るがいい!だがな、貴様たちがいくら騒いでも、あの世へ、俺が持って行くものが一つある、それも今夜だ、神の懐へ入るときにはな、俺はこう挨拶をして、青空の門を広々と掃き清めて、貴様らがなんと言おうと持って行くのだ、皺一つ、染み一つつけないままで、それはな、わたしの・・・心意気だ!」

シラノはダルタニヤンや三銃士のように、その「武人的な勲」が劇的筋の中核をなしているわけではない。シラノの心意気を掻き立てているのは、少なくとも芝居の進行している時間においては、ロクサーヌに対する「忍ぶ恋」なのであって、初演以来の成功も、その最も重要なファクターは、「恋の言説」の超絶技巧にあったのだ。


感想
とあるきっかけがあって、読んでみることにした。なかなか面白かった。でもこういう純愛は、読む分にはいいけれど、自分で実践したいとは思わないなあ。理想や心意気に殉じるってのはなあ。それが志向された時代もあったんだろうな。今でもそういう人はいるんだろうけど。自分は俗人というか現実主義者なんだなあと思ったり。
でもまあ、人は人生において幸福を追求するものであり、理想を貫くことが幸せに至るために必要なんだってことならそうすればいいんだろう。僕にとっては、それが幸せへの道ではないと思うから実践しないってだけで。どちらも同じものを目指している。結局はそういうことなんだと思う。人から見た人生の美しさなんて知ったことか。僕は僕の道を行く。
こうして知り合ったのも何かの縁。この戯曲を実際の舞台で見る機会はないかとネットで探してみたところ、丁度今日から予約開始の舞台があった。演劇集団キャラメルボックスによる舞台。翻訳は、今回読んだ渡辺さんのものだし。9/29から東京で公演するらしい。というわけでさっそく予約した。休日分は全て埋まっていたため、平日になってしまったけど。ちゃんと行けるといいなあ。楽しみだ。