シラノ・ド・ベルジュラック
- 作者: エドモンロスタン,Edmond Rostand,渡辺守章
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/11/11
- メディア: 文庫
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シラノはダルタニヤンや三銃士のように、その「武人的な勲」が劇的筋の中核をなしているわけではない。シラノの心意気を掻き立てているのは、少なくとも芝居の進行している時間においては、ロクサーヌに対する「忍ぶ恋」なのであって、初演以来の成功も、その最も重要なファクターは、「恋の言説」の超絶技巧にあったのだ。
感想
とあるきっかけがあって、読んでみることにした。なかなか面白かった。でもこういう純愛は、読む分にはいいけれど、自分で実践したいとは思わないなあ。理想や心意気に殉じるってのはなあ。それが志向された時代もあったんだろうな。今でもそういう人はいるんだろうけど。自分は俗人というか現実主義者なんだなあと思ったり。
でもまあ、人は人生において幸福を追求するものであり、理想を貫くことが幸せに至るために必要なんだってことならそうすればいいんだろう。僕にとっては、それが幸せへの道ではないと思うから実践しないってだけで。どちらも同じものを目指している。結局はそういうことなんだと思う。人から見た人生の美しさなんて知ったことか。僕は僕の道を行く。
こうして知り合ったのも何かの縁。この戯曲を実際の舞台で見る機会はないかとネットで探してみたところ、丁度今日から予約開始の舞台があった。演劇集団キャラメルボックスによる舞台。翻訳は、今回読んだ渡辺さんのものだし。9/29から東京で公演するらしい。というわけでさっそく予約した。休日分は全て埋まっていたため、平日になってしまったけど。ちゃんと行けるといいなあ。楽しみだ。