季節の記憶
- 作者: 保坂和志
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1999/09/01
- メディア: 文庫
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技術とか知識というものは習得することよりも、それに固執することの方が大事な種類のもの。
僕はこういう話はナマナマしくてダメなのだ。ナマナマしいといっても、それは現実が剥き出しになったナマナマしさなのではなくて、ナッちゃんという人の感情の中の憎悪や執着という限られたものが剥き出しになっているだけで、世の中にはそういうものだけが重要だったり真実だったりすると思っている人がいるが僕はそういうナマナマしさは嫌いだし意味がないと思っている。
感想
ちょっと前に、「ARIA」みたいに癒される作品がないかな〜とネットで探して読んだのがマンガ「よつばと!」。評判に違わずめちゃくちゃ面白くて、いいものを掘り当てたと満足していた。
そんな「よつばと!」に似た作品、って評判に惹かれ、今回の本を読んでみた。確かに、キャラ設定や舞台設定が似ている。親子の関係や、子供の視点でみる世界とか。お隣さんとの交流とか。季節を感じつつ、淡々と続く平和な日常。まったりとした空気が流れる。こういう生活って羨ましいなあ、いつか実現させたいなあと思いながら読んだ。
ただ、癒しって感じではなかったな。主人公の頭の中で展開される思考や、大人たちの哲学的な会話が随所に現れる。読者としても、頭を使わされるんだよね。ただ感じるままにページをめくることが出来ない。いや、そういう話題も結構好きなんだけどさ。それを話し合える仲間がいるってのも羨ましい。まあ、本とマンガっていう媒体の違いもあるのかもね。