ゴーマニズム宣言EXTRAパトリなきナショナリズム
- 作者: 小林よしのり
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/06/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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郷土を切り捨て、市町村合併して消滅させるのが、今の日本の流れであるのは馬鹿が見てもわかるのに、「子供の郷土愛を育むべきだ」という現政権の図々しさは何事だ?まず大人の郷土愛を育むべきだろう。郷土愛を言える資格は、利権がらみと疑惑の目で見られていようと、まだ「抵抗勢力」とレッテルを貼られた政治家たちにあるはずだ。
感想
読みが浅いからか、なかなか難しい題材だったな。パラオ編と沖縄戦編はちゃんと分かったけど。副題になっている、「パトリなきナショナリズム」の部分。「郷土愛」と「愛国心」か。小林さんは「郷土愛」は必要だって言ってるみたいだけど、小林さん自身、福岡から東京に出てきており、故郷に対して複雑な思いを持っている。「郷土が嫌いだ」とも言っているし。いつもみたいな断言がなく、歯切れが悪い。僕の中でももやもやしたものが残っている。
僕自身について言えば、「故郷」と言えるほど確固としたものを持ってないんだよなあ。父が転勤族で一箇所にとどまっていなかったし、大学でも就職でも場所が変わってるし。「出身はどこ?」って聞かれたら、一応一番長く住んでた所を挙げている。でも既に接点も拠点もないし。行けば懐かしさも感じるんだろうけど、特に焦がれる気持ちも無い。実際、もう10年以上行ってないしなあ。そんな僕だから、今回の本に関してあまり響くものがなかったのかもな。既に、著者が憂える「故郷喪失者」になっちゃってるんで。
「自分の帰る場所」を持っている人が羨ましくもある。そういうのって、今住んでいる場所でこれから築けるものなのかなあ。でもやっぱり何か違いそうだな。まあ、こうなってしまったものは仕方ない。「故郷」はなくても「日本」は好きだし。行ってみたい場所が色々ある。色んなところに関係の根を張り巡らせていきたいなあ。