源氏物語 巻2
- 作者: 瀬戸内寂聴
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/02/10
- メディア: 文庫
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平安朝の貴族社会では、女はみだりに人に顔や姿を見せてはならなかった。男の兄弟にさえ十歳にもなればあらわに顔を合わせるようにはしない。深窓の姫君のまわりは、女房たちがしっかりと守っている。女房たちはまた外部に向って、自分の仕えている姫君たちの宣伝係りもつとめる。その噂によって、貴公子たちは、まず恋文を届ける。恋文は和歌と決っている。女房たちが、紙の趣味や、文字の巧拙や歌の出来ばえから、男の値打ちを判断する。想う女と性的に結ばれる過程を、男たちは愉しみ、女を手に入れる方法に技巧をこらし、一種の遊戯としてそれを雅やかに練り上げる。
結婚
当時の結婚は一夫多妻制度で、夫は妻の婿となると、自分の家から妻の家に通う通い婚であった。結婚後は、妻の親が、婿の衣類から、身の廻りのすべての諸雑費も引き受ける。出世のための賄賂なども、妻の家持ちである。男は甲斐性で幾人の妻を持ってもいいので、妻たるものは常に捨てられないかという、不安と嫉妬に苦しめられる。また妻の家が経済的にも身分的にもよくないと、いい婿をとることは難しい。結婚は、ほとんど親や兄による政略結婚であった。
感想
面白いなあ。色々なタイプの女性が出てくるし、当時の作法も分かる。訳者解説でも色々教えてくれるし。恋愛にしても結婚にしても、本当、今とでは全く違ったんだなあ。これは上流階級での話だろうし、一夫多妻制度や政略結婚なんかは現代でも残っているけど。それにしても、顔も見ずにヤルなんて。それだけ中身が大事だったってことなのかな。というか、「家柄」第一だったのかな。まあ、価値観なんて環境によっていくらでも左右されるものだからな。
物語にかなり引き込まれてきた。次を読むのが楽しみだ。他が溜まっているのでちょっと間隔が開いちゃいそうだけど。