僕たちは世界を変えることができない。
僕たちは世界を変えることができない。 (Parade books)
- 作者: 葉田甲太
- 出版社/メーカー: パレード
- 発売日: 2008/03/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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僕たちはカンボジアに小学校を建てた。カンボジアの教育問題に一石を投じたことには間違いない。それでも取りこぼしたものは、いっぱいあった。
感想
なかなか面白かった。カンボジアに小学校を建てるまでの日々を追った話。今度映画化されるらしいね。
お金を集めるための手段が、クラブでイベントを開催することってのが、さすがは大学生だなあ、と。僕だったら、そのイベントの集客のために奔走するくらいなら、バイトでもして貯めちゃうだろうなあ。初期メンバーでも4人いたんだから、一人頭37万5000円。そう無理な額でもないと思う。まあ、そうやって集めたとしても、本にもならないし映画にもならないだろうけどね。
ボランティアをする立派な面だけを見せるのでなく、負の面までぶっちゃけちゃってるのも凄い。オナニーだとか風俗だとか、ボランティアをダシに女の子にアピールしたとか。そうやって、聖人君子ではない、等身大の姿を見せたからこそ、協力者の輪も広がり、読者の共感も読んで話題になったんだろうな。
僕自身は、あまりボランティア活動をしたことはない。寄付もほとんどしない。本当に困っている人の助けになったのか、活動の最終結果が分からないから。自分自身で確かめられないことにはあまり気乗りしない。しっかりと活動しているグループにしても、その活動は本当の意味で役に立っているのだろうか、と。対症療法になっていたり、焼け石に水になっていたりはしないか?
この本でも少し触れられていたが、小学校を建てた後、ちゃんとそれは維持されるのか?両親は子供をちゃんと学校に行かせてくれるのか?小学校卒業後の教育プログラムは?
その場の達成感で満足してしまい、結局は無意味になってしまった活動は多いと思う。そんなことならやるだけ無駄。せっかく時間やお金や労力をかけるのならば、その効果が続くこと、本当の実を結ぶことを考えなくちゃ。現状の、ボランティア団体が乱立している状態では、かなり非効率なのではないだろうか。ルートを一本化し、資源を集中させたほうがより大きな成果を残せるのでは?大きくなりすぎると逆に非効率になったり、腐敗したりするものかもしれないけど。
そんなことを考えていたら、結局何にも手が出せなくなっちゃって。まあそんなの言い訳だよな。たとえ非効率だったとしても、行動を起こすことが重要なんだろうってのは頭では分かるんだけど。
カンボジアは、いつかは行ってみたい国。アンコールワットは一度は見てみたい。そのついでと言ったら何だけど、この本で紹介されていたような場所も訪問してみたい。現実を体感すれば、僕の姿勢も変わるかもな。