40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

父親のすすめ

父親のすすめ (文春新書)

父親のすすめ (文春新書)

もともと子どもが大好きで、とりわけ自分の子どもには何でもしてあげられる、と思っているタイプの親に問題が生じてしまいがちなのは、皆様も周囲を見渡せばすぐ気づくでしょう。そのような主観は、子どもの自立を阻みがちだからです。虐待に走る親も、溺愛している親も、本質的に子を自分の所有物と勘違いしている点で、変わるところはありません。


私にとってのしつけとは、礼儀のことではなく、責任をとれるようにするということと、羞恥心を覚えさせていくことです。その前提として、相手の主張をまず正しく理解する、ねじまげて文句を言うことは絶対させない。これらが本当は「子を自立させる」ことの本質だと思います。


「正しい指摘に適応できない大人」が同じ家にいる、というのは子どもにとって最悪の事態です。生きる、ということは、変わり続ける、ということだから。変われない、という人は、同居する子どもに「生きる」という喜びを背中で教えることができません。


自分の親を相対化(「親にもいろいろある」)できない子どもは、自分自身を相対化(客観視)することもできないからです。自分と自分の周囲を客観視(相対化)できて初めて、かけがえのなさ、というものを実感することができます。かけがえのなさ、というのは、代替性がない、ということです。親や自分には、代替性がありません。そのことに向き合えるかどうか。



感想
こんな本を読むのは早いって、重々承知してるんだけど。自分の子育て観がどんなものかを事前に確かめるためにも、こういう本は面白いんじゃないかなあと思って。それはすぐに抽出できるもんじゃないからな。考える材料は早めに頭の中に放り込んでおいて、じっくりと醸成しないと。


これは、作家・ジャーナリストである著者の子育て観を述べた本。一意見として、楽しく読むことができた。こういう、自分の子育てが上手くいったからって、それを普遍的なものとして上から目線で提示してくる態度は、ちょっと鼻に付く。他にも、著者の強硬なやり様には言いたいこともある。でもまあ、そういう意見の取捨選択はこちらがすればいいわけで、色々な立ち位置を知るためにも、色んな人に大いに語ってもらうのは良いことだからな。この本にしても、共感できた部分や参考にしたい部分は多かった。


「新聞代と書籍代と旅費と映画代を、別会計で与える」ってやり方は、すごくいいと思う。是非採用したい。こういう部分でお金を節約されちゃあ、最終的には絶対損だからな。お金なんて気にせず、色んなものを吸収してほしい。旅費に関しては、上限を設けざるを得ないだろうけど。


ブログを書かせるってのも面白いな。文章力や客観性も磨かれそうだし。この面での失敗は炎上にも繋がりかねないし、よほど注意してやらせないといけないだろうけど。取り返しのつく失敗ならいいけど、犯罪告白なんてされたら堪らないからな。まあ、犯罪をする時点で、ブログとかの問題じゃあないんだけどさ。


タイトルからして当然なんだろうけど、この本には母親の役割・関与については何も述べられていなかった。自分一人の考え方で育てるわけじゃないんだから、そちらとの関わり方も知っていきたいな。また機会があったら読んでみよう。