少女不十分
- 作者: 西尾維新,碧風羽
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「化物語」の西尾維新さんの作品。といっても、それがきっかけで読んだというわけではない。ニコ生の「惑星開発大賞2011」って番組で、小説部門で大賞を取っていたので、興味を持って予約していたんだよな。その予約を待っている間に、他の著書を先に読む形になったわけだけど。でも結果から言えば、そうなって良かったな。
最初は、「テンポが悪いなあ」とか「前置きはいいからさっさと話を始めろよ」とか思っていた。それに、主人公が監禁されるに至る経緯についても。いくら相手が小刀を持っていたとしても、あそこまで言いなりになる大学生がいるかよ?、と。ちょっとイライラ。僕だったら、相手に対する配慮も何もなく、機会を捉えて全力で脱出、あるいは反撃するだろうな。まあ、他者視点、あるいは後から視点では、いくらでもカッコいいことを言えるわけだけど。
でも、後半はどんどん物語に引き込まれた。仕掛けも良かったし、「未だ小説というものを書いた記憶がない」とかいうふざけた前説もちゃんと回収されていたし、読後感はとても良かった。主人公が相手に語って聞かせた話ってのは、これまで著者が書いてきた作品のことを言っているのかなあ。僕は吸血鬼の部分しか読んでいないんで、何とも言えないんだけど。でも、もしそうなのだとしたら、今までの作品にはこういう軸がある、ってのを示したわけで、デビュー10年目の節目にふさわしい作品だったんじゃないかなあ。
著者の他の本も読んでみたいなあと思った。ただ、小説は少しの楽しみ程度に留めておいて、それほど深入りするつもりはないんだけどなあ。と言いつつ、最近のブログ記事には小説が多いし、全然説得力ないんだけど。