40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

正しい判断は、最初の3秒で決まる

優れた直感を持つために重要なのは方法論や性格、感情ではないようだ。では、何が重要になるのか。端的にいえば「思いの強さ(その方向性に関係なく)」や「良い経験」であるが、それを詳しく説明するのが本書の一つの目的でもある。


直感と信念が、新しいものを創造し変革を実現する過程において、決定的な役割を果たす。「直感や信念とは、経験に基づき、無意識のうちに最善の選択肢を選びとるもの」
直感は発想において、信念は行為において、最善の選択肢を選びとっている。逆にいえば、不要な選択肢を排除してくれている。
信念は知識や意志によって支えられるものではなく、逆に信念が知識や意志を支えている。


直感や信念の精度を高めてくれる経験とは、様々な分野の共通項となっているものだ。そういったものを選ぶ方法は容易で、それは歴史の長さだ。歴史の長い分野であれば、それは人類の知の結節点である可能性が高いはずである。
学問であれば、教養と呼ばれる科目群がその一つだろう。哲学、文学、歴史、宗教、数学、芸術などだ。日本であれば、茶道、華道、棋道など、「道」という名前がついているものには全てのものに相通ずるものがある。これら全てに通奏低音として流れているのは、暗黙知・身体知の精髄の一つである禅の思想だ。


・一生懸命に楽しむこと。
・感動をしやすい心の状態をつくっておくこと(何事からも学ぶ)。疑問はすぐにぶつけること(疑問こそ、感動の出発点)。
・その分野で真剣にやっている人たちに多く接すること。
・本物といわれるものに多く触れること(核心部分に触れているからこそ本物と呼ばれる)。
・その分野は、他の分野に対してどのように応用できるかを考えること。



感想
正しい判断をするために論理は必要だけど、それだけでは行き詰まる。そこを超えるためには、直感や信念が必要。本書は、直感・信念とはどのようなものであるのかを説明し、その精度を高めるために著者がした方法を紹介する。
こういったことを考えたことはあまり無かったので、なかなか新鮮な指摘だった。納得できる部分もあったし。結構楽しんで読むことができた。


僕はあまり直感に従って行動するようなことは無く、ちゃんと色々考えてから決めるほうだとは思っているけど、それはそう意識できたものに対してだけで、実は無意識に様々な場面で選択をしているんだろう。
ならば、それを磨いておくに越したことはない。そのための手段ってのは、まあ、他の色々なビジネス書で言われているようなことでもあり、特に真新しくはなかったけどさ。ただ、無意識への作用ってのは今まで考慮していなかったから、今後の取り組みへのさらなる励みになるかもな。著者はその効果を実感できているようだけど、僕はまだ全然。本気度が違うってことだろうけど。これを機に、僕ももっと身を入れないと。


ただ、僕が現状持っていると自覚している信念って、生き方そのものに関することで、仕事との相性ってあまり良くないんだよなあ。突き詰めてしまっていいものかどうか。
ストア主義的な受身ってのもあるんだけど、現状を肯定することに向きすぎて、さらなる向上・発展を目指す意識が薄い。問題を感じていないのなら、そのままにすればいいのに。無理に向上を目指すやり方が、逆に自分の首を絞めている例も多いだろう。もちろん、人間の向上心があったからこそ今の暮らしがあるわけで、僕もばっちりその恩恵に与っているんだけどさ。ただ、その方向だけだと行き詰まる。未来予測系の本が警告するように。


まあ、仕事との相性と言うより、仕事の種類の問題なんだろう。ちょうどうちの部署も変革期に来ているようだし、そういうことも考えていかないと。ちきりんさんも新著で色々煽っているしね。