ひとりぼっちを笑うな
- 作者: 蛭子能収
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/08/18
- メディア: 新書
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自分を低く見積もっておく。最初から自分でそう決めつけておけば、ちょっとやそっとのことにも動じない人でいることができます。自分のプライドみたいなものを、必要以上に高く持ち過ぎていると、そのプライドがへし折られたときのショックが大きいじゃないですか。人間、上には上がいるし、プライドなんてものは、どこかで必ずへし折られるのがオチです。
僕は場合によっては誰かと話していたいタイプの人間なのかもしれない。これまで散々ひとりになりたいと書き続けてきましたが、ときには矛盾したっていいんですよ。そう、我慢するのが一番よくないんじゃないかな。人って適当にわがままに生きていていいように思う。
この世に生まれて一番の喜びは、自分の考えていることを実現することだと僕は考えています。考えて実現した、その瞬間こそが、生きていて一番楽しい。それを妨げるものは、たとえ友だちだろうと世間だろうと、まったく気にする必要はありません。ひとりぼっちでもいいから、そのやりたいことに向かって、一歩ずつ近づけばいいんです。
感想
最近話題になっている本。前から近しいものを感じていたけれど、まあ予想通りの一致っぷりだったな。共感は出来たけど、既に実践していたり考えていたりすることだったんで、収穫というのは大してないわけだけど。「悩み」については本当にその通りだよな。「話すだけで楽になる」なんて、正直理解できない。何も解決していないじゃないか、と。
「自分を低めに見積もる」ってのは、アドラーの言う「勇気の無い状態」なんだろうな。諦めてしまった状態。そこから奮い立てば、また別の展開があるのかもしれない。でも、底辺でもそれなりの生きやすさがあるからな。人と接しないことを選択すれば、底辺にまつわる不都合もあらかた避けられるし。僕はもう、それでいいなあ。
「矛盾していい」とあるけれど、蛭子さんは結婚しているし子供もいる。正直、何が「ひとりぼっちがいい」だよ、とも思う。昔だったらそういう都合のいい発言には抵抗があったけれど、今となってはそういうのも受け入れられるな。所詮、人間ってのは首尾一貫しておらず、その場の流れによってどっちにも転びうるもの。支配的な傾向があるだけで、それが全てなわけではないからね。それを認めないと、生きていて辛くなるだけ。主張を一貫させることよりも、楽しく生きていくことの方がよっぽど重要だからな。
僕も一人が好きだけど、だからといって一生独身でいることを固く決意しているわけでもなく。無ければ無いで全く構わないわけだけど。自由に、楽しく生きていきたい。自分の望むことを、制限なく実現していきたい。