40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

反脆弱性

バーベル戦略。この戦略では、一方で極端なリスク回避を行い、もう一方で極端なリスク・テイクを行う。単なる中間のリスク・テイクや中程度のリスク・テイクは、実際には負け試合であることが多い。ところが、バーベル戦略は、その構造のおかげで、ダウンサイド・リスクを抑えるのにも役立つ。つまり、破滅のリスクをゼロにできるのだ。
たとえば、資産の90%を平凡な現金で持ち、残りの10%をこれ以上ないくらいハイ・リスクな証券で持っているとしよう。すると、資産の10%以上を失うことはないが、膨大なプラスの可能性を秘めている。


金銭的な自立は、賢く利用すれば、頑健さにつながる。選択肢が増え、正しい選択ができるようになるからだ。自由は究極のオプションなのである。さらに、オプションや選択肢に直面するまで、自分自身や自分の本当の好みはわからない。人生の変動性は他人だけでなく自分自身に関する情報ももたらしてくれる。


幸福は否定の概念で説明するのがいちばんだ。現代の幸福の研究者たちは、幸福とは何なのか、それが私たちの追い求めるべきものなのかどうかがわかっているかのような口ぶりで話す。むしろ、彼らが説くべきなのは不幸についてだ。


データにだまされる現象は加速度的に増えつづけている。「ビッグ・データ」という質の悪い現象が起きているのだ。現代性の特徴は、変数は多すぎるのに、変数あたりのデータは少なすぎるということだ。そのため、偽の相関関係は本物の情報よりもずっと急速に増えていく。データが生み出せるのは、ますます「否定の道」タイプの知識だけになりつつある。



感想
本「ブラックスワン」の著者による本。「脆い」ものに賭けると損をする。「反脆い」ものを見分け、それに賭けるべきだ、というのがこの本の主張。不確実性に溢れている世の中だしね。世間の常識に流されず、自分自身でしっかりと判断していきたい。


僕がアリリタを目指しているのも、反脆弱性を目指す志向から、とも言える。会社に依存せざるを得ない生活は脆い。自分自身の強度・柔軟性をもっと上げていかないと。
反対に、効率化や合理主義志向は脆い。今の生き方は、かなりそれに染まっているよなあ。プロフィールの「仕事上の目標」にばっちり掲げてるし。確かに、効率化は色々なものを削ぎ落とす。中には大事なものも含まれているだろう。アリリタまでの短期戦略だと割り切り、それ以後の生き方の方針にしないように注意しよう。


将来は引き算で考えるべきという指摘は面白い。足す方向は候補が多すぎるし、新しいものは脆いんで定着しにくい。よって、その方向の予測は外れやすい。反対に、脆いものは消えやすいから、将来消えている可能性は高い。確かにその通りだよな。今後を考える際に考慮していきたい。