40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

新世紀のコミュニズムへ

(コロナ下での)株価の上昇は、「否認」のメカニズムが働いていることを示している。何が否認されているのか。破局の事実が、である。何の破局か。資本主義そのものの破局である。
資本主義という船が沈みかけているように見える。しかし、本当に資本主義そのものが破綻したら、そのことによる犠牲はあまりにも大きすぎる。このとき否認が生ずる。「資本主義は普通に働いている、という想定で行動しよう」と。こうして、実体経済の裏付けなしに、株が普通に売買されることになる。

 

何もかも一律に、コモンズへと編入するやり方は、あまりにも非効率的であり、技術的にも現実性に乏しい。現在のグローバルな資本主義にとって本質的な不平等、本質的な葛藤が関与している領域において、まずはとりわけコモンズが確立されなければならない。そのような領域は、三つある。
第一に、自然環境である。大気、そして地球そのものが、究極のコモンズの対象だ。
第二に、ヒトゲノム。生命科学遺伝子工学に関連する領域。
第三は、「知的所有権」やそれに類する法律によって守られているような「文化」の産物である。その中には、インターネットのプラットフォームが含まれる。

 

 

感想

9/1に放送されたゲンロンのシラス番組「<われわれの時代>を読み解く」で紹介された本。番組の主筋で紹介されたわけじゃなかったんだけど、資本主義の今後には興味あるからな。この制度の下、十分な資産を築き、アリリタしたわけで。資本主義そのものが崩壊してしまうと、今の生活も崩壊してしまう。その事態は危機的。対策できることがあるならばしっかり備えるべきだし、背景や未来展望も知っておきたかった。

 

資本主義の存亡について、キューブラー=ロスの五段階説の1~4まで全てが現れているというのは、本当にその通り過ぎて、思わず笑ってしまった。加速主義の、信用取引的振る舞いも笑える。ただ、そういう行動を取ってしまうほど、今の時代が危機的ということを表しているんだよな。恐ろしい。

 

資本主義の次の制度として提唱するコミュニズム私的財産の否定、自由の否定。自由こそを至上価値とする僕には辛い制度ではある。ただ、何もかもをコモンズに編入するのは現実性に乏しいとのこと。まずは優先すべき3つの領域、これについてなら、別にコモンズになってもらっても構わないかな。自分に関わらないことだからって他人事だけれど。まあそうはいっても、変動期には混乱も発生するし、僕の資産も大幅に減損するんだろうなあ。嫌だなあ。

 

今後大変動が起きるというのなら、それはそれでなかなか味わえない経験なわけで、ちょっと楽しそうではある。自分が生き残れることが前提ではあるけれど。自分の力ではどうしようもない流れだし、乗るしかないわけだけど、その中で少しでも生存確率を上げられるよう、準備はしていきたい。変動の序盤での脱落は避けたいね。少しでも長く抗ってみせたい。