40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

ホモ・デウス

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

 

前例のない水準の繁栄と健康と平和を確保した人類は、過去の記録や現在の価値観を考えると、次に不死と幸福と神性を標的とする可能性が高い。

 

理屈の上では、科学と宗教はともに何よりも真理に関心があり、それぞれ異なる真理を擁護するので、必ず衝突する定めにある。ところが、じつは科学も宗教も真理はあまり気にしないので、簡単に妥協したり、共存したり、協力したりさえできる。
宗教は何をおいても秩序に関心がある。宗教は社会構造を創り出して維持することを目指す。科学は何をおいても力に関心がある。科学は、病気を治したり、戦争をしたり、食物を生産したりする力を、研究を通して獲得することを目指す。科学者と聖職者は、個人としては真理をおおいに重視するかもしれないが、科学と宗教は集団的な組織としては、真理よりも秩序と力を優先する。したがって、両者は相性が良い。

 

不死と至福と神性を獲得するという21世紀の新しいプロジェクトも、全人類に尽くすことを願っている。ところが、これらのプロジェクトは通常の水準を維持するのではなく凌ぐことを目指しているため、新しい超人のカーストを生み出し、そのカースト自由主義に根差す過去を捨て、典型的な人間を、19世紀のヨーロッパ人がアフリカ人を扱ったのと同じように扱う可能性がある。

 

 

感想

去年読んだ「サピエンス全史」の著者による新著。ニコ生「岡田ゼミ」で紹介されて興味を持ち、読んでみた。前著同様、本作もとても面白いものだった。

 

「不死と幸福と神性」を目指すようになるってのは、まあ順当なところだろうな。問題は、僕が生きている間にその成果に与ることができるか?ってことだけど。技術として確立されても、エリート層しか享受できないんじゃ意味ないし。おこぼれくらいには与りたいね。

 

自分の判断ではなく、AIに判断を委ねることになる未来は、遠からず成就するだろう。合理主義の僕だし、よりよい判断をしてくれるのならばありがたい話。ただそれも、そうすることを自分で選択するからこそ意味がある。利用されるのではなく利用する。その立ち位置はしっかりと確保しておきたい。